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◎イリアンでも独立運動激化 東ティモール問題で触発
【ジャカルタ8日共同】インドネシア東端のイリアンジャヤ州
(ニューギニア島西部)で、東ティモール独立問題の進展に触発さ
れ、独立国家「西パプア」樹立を目指す運動が活発化、治安当局は
7日に学生組織の女性指導者を逮捕するなど締め付けを強めている。
国営アンタラ通信などによると、独立要求デモと治安部隊の大規
模衝突から1周年を迎えた7月初め以降、同州では当局が禁止する
「西パプア」の旗を公然と掲げる事件が続発。西部ソロン県で5日、
旗を強制撤去した治安部隊と住民の衝突で3人が死傷し、警察は7
日に首謀者として学生組織「西パプア学生フォーラム」のヤコミナ
・イシル代表(女性)を逮捕した。
警察はヤコミナ代表が旗の掲揚のほか、6月の総選挙を妨害する
ため投票用紙を盗んだことを認めたとしており、同代表を含め少な
くとも17人を取り調べている。
同州はインドネシア独立後もオランダ植民地として残ったが、1
960年代に武力衝突を経てインドネシア帰属が決まった。しかし
民族・文化的には隣国パプアニューギニアに近く、独立派ゲリラの
活動が長年続いていた。
独立運動はスマトラ島北端のアチェ特別区でも強まっているが、
外交筋は「統一国家樹立を誓ってインドネシア独立運動を共に闘っ
たアチェに比べ、イリアンジャヤ問題ははるかに深刻、との見方も
ある」と指摘する。 (了)
[共同 7月 8日] ( 1999-07-08-15:29 )