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◎パプア首相が辞任 台湾との外交樹立が裏目
【シドニー7日共同】パプアニューギニアのスケート首相は7日
午後、ポートモレスビーで記者会見し、辞任を表明した。首相在任
期間は丸2年間だった。
スケート首相は経済立て直しの失敗に加え、今月5日に台湾と外
交関係を樹立したことに野党側だけでなく、オーストラリアなど隣
国からも強い反発を受け、政情混迷の懸念が高まっていた。
次期首相は13日に招集される国会で選出されるが、有力候補者
としては、最近与党連合を離脱した人民民主運動党(PDM)のモ
ラウタ党首の名前が挙がっている。同党首は蔵相を歴任するなど経
済通と言われる。
首相府報道官は同日「首相辞任は外交政策に影響しない」とし、
対台湾関係が直ちに再検討されることはないと述べたが、ポートモ
レスビーの外交筋の間では、次期政権下での同関係見直しと対中関
係回復は必至との見方が多い。
国民議会党を率いるスケート首相は1997年6月の総選挙で第
一党となり、翌月、チャン前首相の後任として選出された。
しかし、政権発足当時はアジア経済危機のあおりで1次産品輸出
が低下したほか、98年には地震や干ばつなどの災害が相次ぎ、経
済は低迷状態を脱し切れなかった。
このため財政赤字の拡大と融資返済が重なり、国家財政は破たん
状態に直面していた。スケート首相は台湾との外交関係樹立による
融資供与などで苦境脱出を図ろうとしたが、かえって国内外の反発
を受け、辞任の引き金となった。 (了)
[共同 7月 7日] ( 1999-07-07-17:10 )