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◎チェチェン周辺で緊張激化 紛争前夜と共和国大統領
【モスクワ7日共同】ロシアからの独立を主張する南部チェチェ
ン共和国の境界付近で最近、ロシア内務省軍部隊とチェチェン系武
装グループの間で死傷者を出すほどの衝突が頻発している。
警備に当たる内務省部隊の駐留場所を武装グループが急襲するケ
ースが多いが、5日には内務省側が攻撃を未然に防ぐとの名目で、
武装グループをヘリの空爆や迫撃砲で先制攻撃。これに反発した穏
健派のマスハドフ・チェチェン共和国大統領が1996年に停戦し
たチェチェン紛争の前夜のようだと警告するなど、緊張が高まって
きた。
事態打開のため、双方はエリツィン・ロシア大統領とマスハドフ
大統領の直接会談の早期実現を模索しているが、マスハドフ大統領
自身も共和国の強硬派武装勢力を掌握することができず、解決の糸
口さえ見い出せない状況だ。
ロシアのルシャイロ内相は、150−200人が集結していた武
装グループの拠点に対する5日の先制攻撃で、複数の武装勢力メン
バーが死亡したと述べ、今後も同様の作戦を続ける方針を示した。
一方、マスハドフ大統領は6日の記者会見で「紛争を繰り返せば同
じような(ロシア軍の撤退という)結果になる」と警告した。
共和国境界付近では、6日夜も内務省部隊が武装グループから迫
撃砲などの攻撃を受け数時間交戦。インタファクス通信によると、
ロシア側で5人が負傷したという。
チェチェンではロシアとの紛争で経済が壊滅状態となり、共和国
周辺で武装グループによる身代金目的の誘拐事件が頻発するなど治
安が極度に悪化。エリツィン政権に有効な対策もなく、チェチェン
との境界を完全封鎖しようとの動きも強まっている。 (了)
[共同 7月 7日] ( 1999-07-07-14:00 )