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◎イランとイスラエル接触か 複数回の秘密会談の情報も
【エルサレム2日共同】イスラエル首相公選での和平推進派バラ
ク氏の当選で中東和平前進への気運が高まる中、敵対関係にあるイ
ランとイスラエルが秘密交渉を持ったとの情報が流れるなど、両国
の水面下での接触が取りざたされ始めた。
アラブ筋によると、イランの権力者の1人とイスラエル側が複数
回にわたり秘密裏に会った、との情報があるという。両国ともこれ
を確認していないが、イスラエル紙ハーレツは先月20日、穏健派
のハタミ・イラン大統領がイスラエルとの信頼醸成に向け秘密会談
の開催を求めていると伝えた。
さらに、昨年から今年にかけ、モロッコでの宗教関係者の会合に
ロンドン在住のイスラム教改革派のイラン人を大統領代理として派
遣したり、スウェーデン主催の国際会議にテヘランの国際政治研究
所のハジフセイニ氏が出席したりし、いずれもイスラエル側出席者
と接触したという。
両国は1979年のイラン革命でパーレビ国王が倒される前まで
はイスラエル軍がイラン軍を訓練するなど友好国同士で、「国交が
ない今でも当時のパイプが残っている」(エルサレムの消息筋)。
同消息筋は、イスラエルはイランのミサイル脅威は早くなくした
いし、エジプトなどアラブ諸国との関係改善に動き出したイランが、
本気で対米関係の改善を図ろうとすれば、中東での米国の盟友のイ
スラエルと接触することは不思議ではないと指摘する。
しかし、イラン外務省は「秘密会談を要望」との報道を全面否定。
テヘランの観測筋は「革命体制を維持するためにはイスラエルとい
う“敵”が必要。政治基盤が弱いハタミ政権がイスラエルとの関係
改善に乗り出すのはリスクが大きすぎる」と懐疑的だ。 (了)
[共同 7月 2日] ( 1999-07-02-14:03 )