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◎環境回復のためダム撤去
米で市民運動実る
【ワシントン30日共同】米メーン州の発電ダムが、河川生態系を回復するため撤去される。10年間にわたる粘り強い市民運動の成果だ。7月1日、ダムの一部が取り払われ、建設以来約160年ぶりに川の自然な流れが復活する。
現役の発電ダムが環境回復のために取り壊されるのは、米国では初めて。運動を続けてきた市民団体アメリカンリバーズのエリザベス・マクリンさんは「とても興奮している。自然も地域社会もよみがえる」と話した。
ダムは同州を東西に分断するように流れるケネベク川下流部にあるエドワーズダム(長さ約280メートル)。1837年、工場の動力用に建設され、その後、出力3500キロワットの小規模発電ダムとして電力を供給してきた。
豊富にとれたサケやチョウザメはダム建設とともに激減。工業化で水質汚染も進み、1970年ごろまでに川は下水のようになった、という。
アメリカンリバーズなどで結成した市民団体連合は、ダムをなくせば自然が回復し、漁業やボート遊びなどで地元が経済的にうるおうと、撤去運動を展開。
ダム所有会社は発電免許更新を申請していたが、連邦エネルギー規制委員会が「自然回復のメリットは発電を続けるメリットを上回る」と裁定し昨年、撤去が決まった。
1日に行われる川の「開通式」には自然保護を担当する米内務省のバビット長官も出席し、環境復元を祝う。
日本はいつも、一歩遅れてますね、