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地下鉄サリン事件の見方講座
（パチパチパチ）
学生 ：今日のテーマは五千人に及ぶ死傷者を出したサリン
事件です。日本官僚の総本山霞が関に向かう地下鉄の中で起こ
りました。死者は帰らず、生存者は後遺症で今なお苦しんでいます。
教授 ：知ってのとおり最大の悪玉はオウムの麻原である。この事件をさ
かのぼる何年も前から「ポア」という殺人の代名詞で何人もの信者
や、教団の批判者を殺害していた。
学生 ：小林よしのり氏も殺されかかったそうですね。その理由が
麻原のところを「メロン野郎か」と言ったことだそうです。
「メロン野郎」と言っただけで殺されかかったた小林よしのり
氏は何故警察が守ってくれなかったのですか。
教授 ：治安の良さを世界に誇る日本の警察は殺人事件の検挙率でも世界一。
この優秀な日本の警察が何故オウムの殺人に限って無力であったの
か。それはサリン事件でもオウムの容疑を確定するのに時間がかかっ
た。殺人、傷害、監禁、誘拐、強盗、詐欺、等ありとあらゆる犯罪
が麻原を中心とした組織的犯罪活動であったことが明らかになるま
でには異常なほどの時間がかかっている。
学生 ：なるほど。では彼らの犯罪を警察の手から遠ざけた縛りみたいも
のがあるのですか？
教授 ：それは「日本国憲法」である。
学生 ：ふむふむ。
教授 ：「信教の自由」は「基本的人権」として憲法で国民・個人に保証
された「最高法規」である。憲法九十八条で「基本的人権は国の最
高法規であって、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関
するその他の行為の全部又は一部はその効力を有しない」と規定さ
れている。
学生 ：よくかかりません。もうとやさしく説明お願いします。
教授 ：これはどういうことかと言うと、「どんな法律、条例、行政命令、
条約等いかなる法も行政も、もしそれが基本的人権を侵す場合は、
人権を侵す部分や、全部を無効とする」と言うことだ。麻原は「信
教の自由」が「何者からも、いかなる法からも保証される」点に注
目し、法が及ばぬ「オウム無法国家」を建国したのである。
学生 ：そうすると刑法百九十九（殺人罪）という刑法も信教の自由とい
う「最高法規」を侵せないわけですね。
教授 ：そうそう。実際日本の警察はオウム無法国家の領土内に入れなか
ったわけだ。また、殺人現場にも死体焼却炉にも近ずけなかったの
である。
学生 ：なるほど、それで麻原は「あいつをポアしろ」と言って平気で殺
人が出来るわけだ。
教授 ：ズズズズズ（コーヒーを飲む音、コーヒーはブルーマウンテン）
そうそう、もっと言うと憲法十二・十三条の個人の「自由の保証」
が根拠となっている。日本の憲法が麻原（国民）に「公共の福祉に
反せぬ限り」の自由を保証している。日本の憲法の致命的欠陥がこ
こにあるのだ。
学生 ：個人の自由、即ち「基本的人権」は最高で絶対なのに「公共の福
祉に反しない限り」という「条件」を付けたところである。条件が
付いたものは最高でも絶対でもないとも言えますが。
教授 ：まぁよく聞け。なんとこの憲法には条件となる「公共の福祉」と
いう概念の規定が無いのだ！その判断を国民（麻原）に委ねている
のである。即ち麻原は霞が関の役人達を殺すのは公共の福祉に反し
ないと判断し、日本の官僚が出勤する地下鉄にサリンを撒いて「殺
人の自由」を行使したのだ！。
学生 ：なんと、日本共産党的なめちゃくちゃな論理。
教授 ：基本的人権が「最高法規」として、いかなる法より優先するのは
「基本的人権は天与の権利で人間が法を作り、社会を構成する以前
のもの」という理念に基ずいている。
学生 ：つまり、基本的人権は人間が作るいかなる法にも優先する「最高
法規」なのですね。
教授 ：そうそう。公共の福祉に反するかどうかを神でもない人間(麻原)
に判断させ、絶対であるべきはずの「天与の理念」に条件を許す「
日本国憲法」こそが「諸悪の根源」なのだ。
学生 ：ヤクザの正義が「ああいう悪党からは金を脅し取ってもバチは当
たらない」と言って「恐喝」をすることと同じですね。
教授 ：基本的人権を「名実共に」最高法規にしていれば「信仰の自由」
という「基本的人権」が「宗教法人法」という人間が作った法を
「一部又は全部無効」に出来るのである。
学生 ：麻原は日本国憲法によって生まれたと言えますね。
本日はありがとうございました。
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