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◎ユーゴ軍5万人が集結か 北部自治州にコソボ化懸念
【スボティツァ(ユーゴスラビア・ボイボディナ自治州)25日
共同】ユーゴスラビア連邦セルビア共和国コソボ自治州からのユー
ゴ軍撤退完了に合わせるかのように、同じセルビアを構成する北部
ボイボディナ自治州に同軍部隊が大規模に集結、「ボイボディナの
コソボ化」の懸念が強まっている。
ボイボディナでは、ユーゴ空爆中から人口の2割を占めるハンガ
リー系と多数派セルビア人との摩擦が表面化、隣国ハンガリー政府
は「コソボ化」に懸念を表明してきた。
ハンガリーのオルバン首相は21日、ブダペストで開かれたNA
TOの専門家会合で「コソボから撤退したユーゴ軍を合わせて4−
5万人の兵士がボイボディナに向かっており、緊張の火種になりか
ねない」と警告した。
その上で、欧州連合(EU)や日米の首脳が集まるバルカン安定
化会議では「ハンガリー系住民の安全を政治的にも軍事的にも保証
する方策が含まれなければならない」と述べ、ボイボディナの自治
権確立だけでなくNATOによる「保護」を求めるような、一歩踏
み込んだ発言をした。
同じ会合に出席したクラーク欧州連合軍最高司令官も「ミロシェ
ビッチ(ユーゴ)大統領には別の標的がある。2度目、3度目の問
題を起こすかもしれない」と述べ、ボイボディナやユーゴ連邦のモ
ンテネグロ共和国での紛争再発に懸念を示した。
軍人の姿が目立つハンガリーとの国境の町スボティツァで農家を
営むハンガリー系のヤン・サボーさん(58)は「町で軍人が増え
た。私の所は何もないが、ハンガリー系が住みにくくなりそうだと
みんなで話している」と語った。 (了)
[共同 6月25日] ( 1999-06-25-14:53 )