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◎紛争の陰に米の武器輸出 旧ユーゴは東欧最大の顧客
【ワシントン17日共同】米国が旧ユーゴスラビア連邦に対し1
950年から91年までに行った武器などの軍事関連輸出の総額は
9億4000万ドルに上り、東欧の旧社会主義圏諸国の中では米国
にとって最大の輸出先だったことが米民間団体の調査で分かった。
調査をした団体は「民主主義のための非軍事化」(カレブ・ロシ
ター代表)。同団体は旧ユーゴ内で90年代に起きたボスニア・ヘ
ルツェゴビナ紛争や今回のコソボ紛争の陰には、米軍需産業による
「武器ばらまき」があると指摘。民主化が不十分な国への武器輸出
を禁じる法律の制定を訴えている。
調査によると、米国から旧ユーゴに輸出された主な武器は、空対
地ミサイル100発、装甲車850台、自走砲700門、レーダー
・システムなど。輸出企業はウェスチングハウス・エレクトリック
(現CBS)など。
旧ユーゴ崩壊後は、ミロシェビッチ・ユーゴ政権がこれらの武器
の多くを受け継ぎ、今回の空爆に対する防衛にもレーダーなどが使
われた。
米国による武器輸出は、チトー大統領が独自の社会主義路線を打
ち出し、旧ソ連との外交関係が悪化した53年ごろから急増した。
米国では、民主化が不十分な国に対する武器輸出を禁じる法案が
95年に上下両院に提出されたが、否決された。
(了)
[共同 6月17日] ( 1999-06-17-22:00 )