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◎ユダヤ系?スパイで波紋 イランが13人を逮捕=差替
【テヘラン9日共同】「イラン政府が国内に住むユダヤ系住民を、
“米国とイスラエルのスパイ”だとして2カ月以上にわたり逮捕、
拘束している」との情報が国際社会に伝わり、波紋を広げている。
米国、イスラエルが既に「スパイ容疑は根拠がない」と非難して
いるほか、欧州連合(EU)の議長国ドイツのフィッシャー外相も
9日、「強く懸念している」として住民の速やかな釈放を要求する
姿勢を表明。改善に向かっていたイランと欧州諸国の関係が、足踏
みしかねない雲行きだ。
イラン政府は沈黙を守っていたが、国営イラン通信が同日夜にな
って、情報省高官が「イスラエルのスパイ13人を逮捕している」
と発言したことを報じた。容疑者がユダヤ系住民かどうかは不明。
「ユダヤ系住民逮捕」の情報は、イスラエルのユダヤ人団体から
欧米諸国に伝わっていたらしいが、「国営イラン放送が7日、海外
向けの放送で逮捕事実を伝えた」との報道があり、これが転電され
て問題が表面化した。
イラン在住のユダヤ系住民は約3万人と言われ、ユダヤ教信仰の
自由は保障されている。しかしイラン政府は「パレスチナ人の敵で
ある」としてイスラエルを国家と認めておらず、スパイの容疑者は
死刑になる可能性が極めて高い。
(了)
[共同 6月10日] ( 1999-06-10-06:00 )
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