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讀賣新聞
◆房総半島南端の沈降が加速化
関東大震災後、緩やかに続いていた房総半島南端の沈降が一九九〇年ごろから速まっていることが、気象庁気象研究所(茨城県つくば市)の検潮記録の解析で明らかになった。岡田正実・同研究所地震火山研究部第一研究室長らは「相模湾周辺の地殻変動が、九〇年ごろを境に変化した」とみており、東京で開かれている地球惑星科学関連学会合同大会で九日発表する。
同半島南端の布良(めら)、伊豆大島の岡田など四つの検潮所の記録を、三十〜四十年前までさかのぼって調べた。
この結果、布良は長期間にわたって沈降しているが、その割合が九〇年ごろから加速し、逆に岡田は九〇年ごろから隆起。岡田から見た布良の相対的な沈降は、八〇年代まで年間三・三ミリ程度だったのが、九〇年以降は同十ミリ以上になっていた。潮位は、月の満ち欠けや海流の影響などを受けるが、長期的には地殻変動を反映し、その土地が沈降すれば上昇し、隆起すれば下降する。
伊豆大島を乗せたフィリピン海プレートは、東北日本を乗せた北米プレートの下へ潜り込み、それに引き込まれる形で、北米プレートの先端にある房総南端が沈降し続けている。
(6月9日14:22)