実はハッカーの仕業か?、中国大使館誤爆。


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投稿者 長万部 日時 1999 年 6 月 07 日 21:47:01:

 ■久保紘之の天下不穏 中国大使館誤爆の真相

サイバー戦争時代がやってきた

 米軍によるユーゴスラビアの中国大使館“誤爆”事件以来、
「サイバー・ウォー(電脳戦争)」関連の記事がやたら、目につくようになった。

 例えば、本紙夕刊(5月23日ワシントン発)によれば、クリントン米大統領は
ミロシェビッチ・ユーゴ大統領に対する情報戦争開始を
米中央情報局(CIA)に命じた、とある。
 その情報源のひとつ「ニューズウィーク」(日本版六月二日号)によれば、
国家安全保障問題担当のサンディー・バーガー補佐官は、
コンピューターハッカーを動員して外国の銀行にあるミロシェビッチの
隠し預金口座に侵入、使用不能にするなどの工作の詳細を
上下両院の情報委秘密会で報告した、とある。

 一方、月刊誌「選択」六月号は、中国大使館誤爆への報復のため
「ウイルスを送り込んでNATOのコンピューターを破壊しよう」
と、中国のコンピューター専門家たちがほう起した、と報じている。

 実は、ちょうど一年前の、テネットCIA長官による米上院証言(六月二十四日)には、
「中国の新聞『解放軍報』の記事には、ハイテク機器を使って米国の銀行の
コンピューターシステムを混乱に陥れるべきだ、と書かれている」
(本紙同六月二十五日付)との指摘が、すでにあった。

 さて、ここで注目すべき点の第一は、仮にユーゴ軍がコソボから撤退し、
NATO軍の空爆が停止されたとしても、
この「サイバー戦争」は終わらない、ということ。

 それどころか、二十一世紀の「新しい戦争の型」が、コソボ紛争を機に一気に表面化した、
と見るべきだろう。

 もちろん、ハッカーはじめサイバーテロリズムなどのコンピューター関連犯罪は、
すでにまんえんしている。
 しかし、後世「コソボ」の名は、国家公認の「サイバー戦争」が、
公然と表明された記念すべき出発点、として記憶されるにちがいない。

 それにしても、バーガー補佐官の「ミロシェビッチの隠し預金口座へのハッキング」とは、
いくらサイバー戦争の例示の一つとはいえ、ちょっと“マンガチック”に過ぎるのではないか?

 実は、そこが注目すべき第二点、なのである。

 ここではまず、大使館“誤爆”の弁明に窮したあげく、
「大使館ができる前の“古い地図”を使用した」と、述べた
コーエン国防長官の発言に、注目したい。

 クリントン大統領が「サイバー戦争」に本格的に踏み切った理由も、
この「大使館“誤爆”」事件との関連抜きには、軍事常識からみても説明がつきにくい
というのが、ある軍事アナリストの分析である。

 一体、世界の最先端を行くハイテク技術を駆使した精密な誘導弾が、
軍事衛星写真などの偵察情報を一切無視して古い地図だけに頼る、などといった説明が
通用するわけがないではないか? と。

 では、なぜ“誤爆”を?

 「故意」でなければ、「ハッカー犯人」説しか考えられない、
というのが軍事アナリストの結論である。

「そんなバカな?」と、一般的には考えるだろう。
 米国防総省の戦争計画データや極秘軍事技術開発などの秘密情報を収めた
コンピューターとネットワークからなる巨大な国防情報基盤は、
万全の防御装置によって守られているはず、だからだ。

 ところが、実態はちがう。

『乗っとられる電脳社会』(公共政策調査会研究報告書、宮崎貞至・帝京大学教授ほか)で、
紹介している「米国会計検査院報告」(一九九六年)によれば、
(1)国防総省は九五年だけで二十五万回のコンピューター攻撃を受けた可能性がある
(2)ちなみに、DISA(国防情報システム局)が、陸・海・空各軍および国防総省機関の
コンピューターシステムへの攻撃(三万八千回)を試みたところ、
アクセスできた成功確率は六五%だった
(3)しかも、この攻撃が探知されたのは、全攻撃回数の四%にすぎない、
といった驚くべきデータが報告されているのだ。
 同検査院は、それらの事実を踏まえて「結論」を、こう結んでいる。
 「国防総省の指揮、統制、軍事研究、兵站(たん)その他のシステムは脆弱(ぜいじゃく)で、
悲惨ともいうべき大損害が生じる可能性が大である」と。

 さて、中国大使館“誤爆”事件について、仮に「ハッカー犯人」説をとるとすれば、
考えられる筋書きはまず、インターネットを通じて、ユーゴの地図などの
基礎データを管理する国防情報基盤へ侵入、大使館の位置を「アンノウン(未確認)」にするか、
ユーゴ軍の施設と入れ替えれば、それで万事OK。

 ここで重要なのは、ハッカーが「攻撃終了後、システムログ(経過記録)を改ざんして、
探知を回避し、不正行為の痕跡を消し去った」場合、だれが犯人か? の解明は、
まず困難ということである。

 では犯人はユーゴなのか? 「ミロシェビッチの隠し預金口座へのハッキング」
というクリントン大統領の脅しは一見“マンガチック”
だが「オレは知ってるぞ」
という意思表示とみれば、説明がつく。
 それとも、中国の“自作自演による狂言”か?
 
 なぜなら、日本でもアメリカでも中国大使館といえば、家族同居の“ホテル式”が通り相場。
 ユーゴの大使館だけが、“誤爆”の折、なぜ、あんな小人数だったのか?
 結果からみれば、“誤爆”事件のおかげで中国は、アメリカでの軍事技術スパイ事件の
発覚にもかかわらず、外交的“優位”の位置をキープできた。

 さて、もう一つの疑いは、米軍の一部不満分子による「内部犯行」説。
 結局、不正行為の痕跡が消されている以上、すべては“藪(やぶ)の中”である。
また、ヘタに“藪を突ついて蛇”でも出て来れば、元も子もない。
  (編集特別委員)  =毎週月曜日に掲載

***
結局のところ、憶測にしか過ぎない気がしますが・・・
最初の発表では、誤爆ではなかった(!)そうですね。




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