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◎ダイオキシン法案成立へ 違反には「直罰」=差替
ダイオキシンの排出規制を目指す「ダイオキシン類対策特別措置
法案」(仮称)について自民、民主、公明3党の参院国対委員長は
3日、法案の内容を最終合意。今後各党に呼び掛け全党合意の議員
立法として今国会に提出することを確認した。同法案は今国会で成
立する見通し。
法案の内容のうち、これまで積み残しになっていた排出基準違反
に対する罰則については、改善命令などを経ずに直ちに罰則を課す
「直罰」規定とすることを確認。罰則は6カ月以下の懲役または5
0万円以下の罰金。処罰の対象は産廃業者などだけではなく、一般
廃棄物焼却場を管理する市町村長も含まれる。ただし、ダイオキシ
ンの濃度測定は極めて微量の分析となるので、政令で測定方法を定
め統一的に運用する。また、罰則の適用までには1年間の猶予期間
を置く。
食品に関する規定では「ダイオキシン類の食品への蓄積状況を勘
案し、必要な措置を講ずる」などの内容を付則に盛り込むことにな
った。
同法案はこのほか、安全な摂取量の目安となる耐容1日摂取量
(TDI)を「4ピコグラム(ピコは1兆分の1)以下で政令で定
める」と規定。大気や水質、土壌の環境基準設定を政府に求めてい
る。都道府県知事が焼却施設密集地などでは総量削減計画を作り規
制を上乗せできることや、土壌の基準を満たさない地域を対策地域
に指定し対策計画を作る規定も盛り込んでいる。
TDIについては、政府が既に検討委員会を設置して現在の体重
1キロ当たり10ピコグラムという値を引き下げる方向で見直し作
業を進めており、近く結論が出る予定。
3党は3月から同法案の共同提案に向けた協議を開始。5月中旬、
実務者レベルで大筋合意したが、食品についての汚染状況調査規定
と排出基準違反に対する罰則の在り方で各党間で意見が食い違い、
調整を進めていた。
(了)
[共同 6月 3日] ( 1999-06-03-20:41 )