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◎「活動が若干上向き傾向」 岩手山で噴火予知連が見解
火山噴火予知連絡会(会長・井田喜明東大地震研究所教授)は2
5日の定例会で、岩手山(2、038メートル)の火山活動につい
て「最近若干上向き傾向にあり、引き続き活動の推移を注意深く見
守る必要がある」との統一見解をまとめた。
これを受けて、盛岡地方気象台は同日、臨時火山情報を発表した。
会議では、山の西側の震源が浅い地震がこの数カ月間、増加傾向
にあり、22日にはこの領域の火山性地震で最大規模のマグニチュ
ード(M)3・6の地震が発生したことや、大地獄谷などで今月、
火山ガスを測定したところ、地下の温度上昇の可能性を示す水素濃
度が高まっていることなどが報告された。
一方マグマや熱水の動きと密接に関係するとされる火山性微動は
今年に入り月1回程度と落ち着いている。
井田会長は「地震活動などはピークだった昨年7月ごろに比べる
と減ってはいるが、十分に落ち着き切っていない。22日の地震な
どもあり、もっと様子を見たいが、注意すべき信号が出ている」と
している。現時点では観測態勢強化などは検討していないという。
また北海道の樽前山(1、041メートル)について連絡会は、
5月初旬に火山性地震が多発したことなどから「今後の火山活動に
注意が必要」とした。
(了)
[共同 5月25日] ( 1999-05-25-20:09 )