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【ワシントン21日共同】米国防総省のベーコン報道官は二十一日、北大西
洋条約機構(NATO)がユーゴスラビア・コソボ自治州に和平成立後の平
和維持軍として展開する地上部隊約五万人を、早急に対ユーゴ国境のマケド
ニアに集結させる方針であることを明らかにした。報道官はまた、この地上
部隊をNATO軍による「コソボ侵攻軍」に投入する可能性も排除しなかっ
た。
報道官は空爆だけでNATOの目標が達成できるとの「保証はない」と述べ
て空爆の限界を初めて認めるとともに、クラーク欧州連合軍最高司令官が二
十日のコーエン米国防長官との会談で「さまざまな形態のコソボ侵攻軍」に
ついても協議したことを明らかにした。
地上部隊の集結開始は、ミロシェビッチ・ユーゴ大統領への圧力強化が狙い
とみられるが、コソボ難民を冬の前に帰還させるには、どういう形であれ地
上部隊が八月初旬にはコソボ入りを開始する必要があるとみられており、外
交交渉で前進がない場合は、地上戦の見通しが高まるのは必至だ。