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◎ウイルス廃棄延期を決定 天然痘根絶でWHO
【ジュネーブ21日共同】開会中の世界保健機関(WHO)総会
は21日開いた分科委員会で、WHOがこれまで「天然痘ウイルス
廃棄の日」と定めてきた今年6月30日の廃棄期限を2002年ま
で延期することで合意した。
研究用ウイルスを独占的に保管している米国とロシアは、将来の
予防ワクチン開発のほか、ひそかに外部に持ち出された可能性を否
定できないウイルスをテロリストが生物兵器として悪用した時の対
策としてもウイルスの保存が必要であるとして、廃棄期限の延期を
求めた決議案を提出。英国、ドイツなど24カ国が共同提案国とな
った。
決議案は、ワクチン開発研究を目的とした既存ウイルスの継続的
保管を最長2002年まで米国、ロシア両国の2カ所の研究所に暫
定的に許可し、研究経過などをWTO総会に報告する義務を負う新
たな専門家委員会を設置するとした内容。
同日の会合では、インドや中国など天然痘撲滅を悲願としてきた
途上国などが、ウイルスの完全廃棄を決めた1996年のWHO総
会決議を覆す提案だと「廃棄延期」に反発したが、廃棄期限を決議
案に明記することで合意が得られ、最終的に全会一致での採択とな
った。正式には来週開く総会の本会合で承認される。
WHOは80年に天然痘の根絶を宣言した後、96年の総会決定
に続く今年1月の天然痘ウイルス専門委員会でも廃棄方針を確認し
ていたが、米国とロシアの主張により総会決定を変更する形になっ
た。
(了)
[共同 5月22日] ( 1999-05-22-00:14 )
◎ウイルス廃棄延期を提案 米ロ、天然痘でWHOに
【ジュネーブ21日共同】研究用天然痘ウイルスを独占的に保管
する米国とロシアは21日、ジュネーブで開会中の世界保健機関
(WHO)総会で、WHOが「天然痘ウイルス廃棄の日」と定めて
きた今年6月30日の廃棄期限を延期するよう求めた「天然痘ウイ
ルス決議案」を提出した。
米国とロシアの事実上の廃棄期限棚上げ案で、英国やドイツ、フ
ランスなど24カ国が支持し共同提案国となったが、インドや中国
など天然痘撲滅を悲願としてきた途上国などはウイルスの完全廃棄
を決めた1996年のWHO総会決議を覆す提案と反発、廃棄期限
を明記すべきだと主張している。
共同決議案は、ワクチン開発研究を目的とした既存ウイルスの継
続的保管を米国、ロシア2国に許可し、研究経過などをWTO総会
に報告する義務を負う新たな専門家委員会を設置することなどを提
案している。
WHOは80年に天然痘の根絶を宣言した後、96年の総会決定
に続く今年1月の天然痘ウイルス専門委員会でも廃棄方針を確認し
た。
しかし、米国とロシアは将来の予防ワクチン開発のほか、密かに
外部に持ち出された可能性を否定できないウイルスをテロリストが
生物兵器として悪用した時の対策としても、ウイルスの保存が必要
であるとの理由で現時点での廃棄に難色を示していた。
(了)
[共同 5月21日] ( 1999-05-21-22:28 )