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◎日朝高官が秘密接触 4月上旬、シンガポールで
外務省の阿南惟茂アジア局長と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)
の外交当局高官が、4月上旬にシンガポールで非公式に接触し、国
交正常化交渉の再開問題などについて協議していたことが12日、
明らかになった。
日朝関係筋によると、北朝鮮側は、日本や米国との対話窓口にな
っているアジア太平洋平和委員会の高官。北朝鮮との接触を再開し
た昨年12月以来、日朝両国政府は、数回にわたって水面下の接触
を行っているが、日本が局長級の高官を出席させたのは初めてのこ
と。背景には日本との協議のレベルアップを望む北朝鮮側の強い意
向があったと同筋は指摘しているが、日本側にも北朝鮮との対話ル
ート確立を図りたいとの思惑があったと見られる。
双方は、国交正常化交渉の再開に向けた段取りなどについて話し
合ったが、具体的な進展はなかったもようだ。
日朝関係は、昨年8月の北朝鮮のミサイル発射以来、冷え込んで
いたが、外務省は今年初め、両国外交当局者が昨年12月にニュー
ヨークで非公式協議を行ったことを公表。3月には日本外務省の課
長と北朝鮮当局者がシンガポールで会談したことが明らかになるな
ど、両国の水面下の接触が続いている。
日本政府は、「抑止と対話」を基本方針に掲げ、北朝鮮側が建設
的な対応を示せば、関係改善を図る用意があると表明。関係改善に
至らない段階でも「対話ルートの確立は重要」(外務省首脳)との
立場を立場を取っている。 (了)
[共同 5月12日] ( 1999-05-12-21:29 )