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■コソボ解決なら欧州に特需効果
空爆で破壊の橋・工場再建 GDP0.4%押し上げも
【ワシントン9日=中田雅博】NATO軍によるユーゴスラビア空
爆が長期化し、欧州諸国の景気悪化が懸念され、欧州単一通貨ユーロ
の安値が進んでいるが、コソボ危機が今後、平和裏に収束し、ユーゴ
と周辺諸国の復興計画が始まれば、むしろ欧州諸国の景気浮揚に寄与
するとの見方が出ている。戦争はその一面で、不況脱出のための「最
大の公共事業の一つ」(米エコノミスト)といわれ、かつて朝鮮戦争
が、日本の戦後復興に寄与したように特需効果をもたらす事実も否定
し難いようだ。
ユーロはこの一月のスタート時には、一ユーロ=一・一八〇〇ドル
台から取引が始まり、先週末にはロンドン市場で一・〇七五七ドルを
記録した。今回の下落はコソボ危機が原因であるのは明らかで、「投
資家は有事のドル買いに走った」(市場関係者)としている。
ドイツ連邦銀行のティートマイヤー総裁は、先週フランクフルトで
開かれた会合で、コソボ危機のユーロ相場への影響について「ニュー
スが流れるから市場は反応するが、問題は、欧州経済の構造に対する
信認低下だ」と語った。
だが、ユーロ相場が低迷する一方で、コソボ危機以来、欧州諸国の
経済に微妙な変化が出てきた。
ドイツ連邦雇用庁が七日発表した四月の失業者数は、季節調整前で
前月比十四万三千人減少して四百十四万五千余人と、二カ月連続減
少。失業率は一〇・七%と、前月より〇・四ポイント低下した。
また、欧州連合(EU)の行政機関、欧州委員会が六日発表したユー
ロ圏十一カ国の四月の景況感調査によると、総合指数は前月改定値比
〇・一ポイント上昇して一〇四・〇となった。
欧州各国では、空爆のために基地をフルに使用し難民の受け入れや
救援物資の提供が活発化している。米エコノミストは「戦争が長期的
に経済成長に悪影響を与えるとしても、短期的に需要を喚起する事実
は否定できない」としている。
その一方で、長期化する空爆が、大きな財政負担になりはしない
か?
最も高価なのが一基約百万ドルという巡航ミサイル。今回の作戦で
は「一週間で約百基」(統合参謀本部)の割合で使用されており、これ
だけでも週一億ドルになる。
さらに、三月二十七日にユーゴ国内で墜落したF117ステルス攻
撃機は一機四千三百万ドルで、経済的な損失も甚大だ。
しかし、これらの兵器はすでに過去の予算で調達済み。むしろ空爆
の長期化は新たなミサイルや航空機を必要とし、軍需産業を中心に需
要が誘発される。
米議会は、対ユーゴスラビア攻撃に伴う経費を緊急支出として、こ
のほど総額約百三十億ドル予算案を可決したが、米国は昨年度、連邦
政府の財政赤字を一掃、一挙に七百億ドルの黒字を計上さえしている。
米投資会社のソロモン・スミス・バーニーがまとめたコソボ危機に
関する報告では、NATO軍の一日の戦費を六千四百万ドルとして計
算すると、六カ月間攻撃を続けた場合の費用は百七億ドル。このう
ち、「欧州諸国の負担は、湾岸戦争の例にならって四〇%とした場
合、四十三億ドルで、これはEUの九九年のGDPの〇・〇五%にす
ぎない」としている。
一方、コソボ危機が収束した後に、第二次大戦後のマーシャル・プ
ランのような復興計画がバルカン半島諸国に組まれることを想定、
「その復興事業は、空爆で破壊された橋や、精油工場や発電所を再建
することになるが、EU十五カ国の年間のGDPを〇・四%程度押し
上げる効果がある」と予測している。
著名エコノミストのポール・クルーグマン・マサチューセッツ工科
大教授は、その著書の中で「一九三〇年代の不況を乗り切るために、
英米経済が採用した公共事業は、戦争だった」と述べている。
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あぁ、やっぱり。血で血を洗って銭儲けですね。い〜ぃユダヤ!ハ〜ァ、ビバノンノン・・・
> 不況を乗り切るために、英米経済が採用した公共事業は、戦争だった