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北朝鮮クーデター危機?脅える金正日
味方も半径数百メートル以内は武装解除
北朝鮮の最高指導者、金正日総書記=写真=がテロを警戒して、自身の身辺警護に異常なまでに懸念し、自分から半径数百メートル以内に武器を置かせないほか、護衛にも“武装解除”させたりしていることが分かった。会議には防弾チョッキを着用したりするなど、最近、特にその警戒度がエスカレートしている。
北朝鮮の内情に詳しい国内の情報筋によると、金正日総書記の身辺警護は日に日に厳重になっているという。金正日総書記の護衛は、思想的にも肉体的にも選び抜かれた忠誠心の極めて強固な軍人があたっているが、ここ数年はその護衛でさえも武器を持つことが許されていない。形の上では銃を持つことがあっても、銃弾は事前に抜かれているという。
また、現地指導と称される地方視察にあたっては、数日前から視察地域をシャットアウト。完全に現場を非武装化し、少なくとも金正日総書記の行動半径から数百メートルの範囲内は“武器帯用禁止区域”となる。軍部隊などの視察で、金正日総書記がカービン銃を持った女性兵士にはさまれた記念写真が知られるが、写真撮影の前には、銃に弾が入っていないことが入念に確認されるという。
昨年9月に平壌で開催された最高人民会議で、金正日総書記は胸から腹部にかけて厚手の防弾用の防具らしきものを着用。防具を着けていることは上着の上からでもはっきり分かるほどだった。この映像は日本や韓国でも確認されており、外事筋などで関心をもってみている。
こうした極度の警戒は1994年の金日成主席の死後、目立ってエスカレート。父・金日成主席への服喪という理由でなかなか表に姿を現さなかった金正日総書記。「金正日総書記は大勢の人の前に出ることを極端に嫌う」との話がこれまでも流れていたが、自分を標的にしたテロを警戒していることとも関係がありそうだ。
視察予定だった北朝鮮北部の軍学校で、手斧投げ実演中の決行が計画された“金正日暗殺未遂事件”も発覚し、金正日総書記は心中穏やかでなくなる。武装した朝鮮人民軍兵士が平壌のロシア大使館に亡命を求めて立てこもった事件も起こった。
金正日総書記がテロを警戒していることを証明する“影武者”説もある。外見がソックリな人物を影武者として使うわけだが、韓国の京郷新聞などは「耳の形が微妙に異なる本物と偽物」の写真を掲載し、指摘。
また、北朝鮮から黄元書記とともに韓国に亡命した金徳弘氏(60)は最近、興味深いエピソードを暴露している。訪中計画が話題になった際、金正日総書記は、「自分を死にに行かせるのか」と猛反発し、身辺の安全を懸念していたというのだ。この話は97年1月に金正日総書記の妹婿の張成沢氏から聞いたものだというから極めて信憑性が高い。
外遊を極端に嫌う金正日総書記だが、テロを最近一層、警戒していることから、「今後も外国訪問はなかなか実現しないのではないか」と前出の情報筋は語っている。
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