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◎総選挙前に海外脱出が急増 既に予約で満席の航空便も
【ジャカルタ26日共同】6月7日の総選挙へ向けて政党間の衝
突などの社会不安が高まっているインドネシアで、華人を中心に混
乱を恐れてシンガポールなど海外へ一時避難しようとする動きが加
速、5月の航空便は既に一部でキャンセル待ちの状態になっている。
総選挙は民主化を受けて、これまでの3党から一気に48党が参
加し、激戦は必至。国民には1200人近い死者を出した昨年5月
のジャカルタ大暴動の記憶が生々しく、「政治的混乱でまた同様の
事態を招くのでは」との不安が拭えない。
ジャカルタの旅行代理店によると26日現在、5月中のシンガポ
ール、米国、オーストラリア行きの航空便は既に満席となり、空席
待ちの客も多い。国内では、比較的治安がよいバリ島への便に予約
が殺到している。
インドネシアの学校が総選挙の混乱を避けるため、選挙運動開始
前の5月中旬から6月中旬まで休校にしたことも、休暇を兼ねての
国外脱出に拍車を掛ける一因になっているようだ。
24日のインドネシア紙コンパスは、同国第2の都市スラバヤの
米国総領事館前にビザ取得のため長蛇の列ができていると伝え、
「総選挙直前の治安悪化が怖い。帰国するのは選挙後」との列に加
わっている女性の声を紹介した。 (了)
[共同 4月26日] ( 1999-04-26-16:32 )