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◎堤氏「五輪買った」と発言 元IOC理事が指摘
【デモイン(米アイオワ州)19日共同】ソルトレークシティー
の冬季五輪招致をめぐる買収疑惑に関して、国際オリンピック委員
会(IOC)の元理事で、米国オリンピック委員会(USOC)の
元会長を務めたロバート・ヘルミック氏(61)は18日、デモイ
ンの自宅で共同通信社のインタビューに応じ、「長野など他の都市
でも同じことを行っており、ソルトレークシティーはIOCの期待
にこたえただけ。IOCの腐敗体質が元凶だ」と厳しく批判した。
ヘルミック氏は、長野冬季五輪について、堤義明コクド会長(日
本オリンピック委員会前会長)の仲介で日本の企業が計2000万
ドル(約23億円)を五輪博物館建設のために寄贈していたのは周
知の事実で、堤氏自身が「オリンピックを買った」と話していたと
指摘した。
また、長野五輪組織委は、ロシアやアフリカのIOC委員をデパ
ートに連れて行き、そこで3000ドル(約34万円)もするドレ
スなどをプレゼントしていたという。
ヘルミック氏は、長野、アトランタ、バルセロナなどでは高価な
贈り物をプレゼントしたり、奨学金や医療費の名目で金銭を提供し
たりしていたと指摘。これらはいずれもIOC側が要求していたと
いう。
ヘルミック氏は「直接的な見返りを求めるものではないので、買
収とはいえないが、IOCの中では、プレゼントを受け取ることが
当たり前になっていた」と話す。
こうしたIOCの腐敗の背景についてヘルミック氏は「オリピッ
クが巨額の利益を生み出すことにある」とした上で、「買収疑惑を
なくすためには、サマランチ会長が辞任するとともに、IOCが民
主的で秘密のない組織に生まれ変わるしかない」とIOCの改革の
必要性を強調した。
時期は特定しなかったが、ヘルミック氏もIOCの理事をしてい
た際に、ある企業から10万ドル(約1100万円)のコンサルタ
ント料を提供されたことがあったと述べた。同氏は拒否したにもか
かわらず、受け取ったように報道され、辞任に追い込まれたという。
(了)
[共同 1月19日] ( 1999-01-19-17:23 )