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◎地震で政治機能が破壊
首都機能移転で公開討論
東京都は18日、首都機能移転問題をテーマに都庁舎内で公開討
論会を開いた。パネリストとして国会等移転審議会委員の中村英夫
武蔵工業大教授らが参加した。
討論会で中村氏は「阪神大震災級の地震に襲われれば、日本の政
治機能が破壊される」と主張。また首都機能移転みやぎ構想策定委
員会委員の新川達郎東北大大学院教授は「政治、行政を再構築する
ためには、移転という大きなステップが必要だ」と、移転の意義を
強調した。
これに対し東京都専門委員の月尾嘉男東大教授は「震災対策は現
在の(中央省庁の)建物をより強固に改造すれば済む」とした上で、
「都庁舎を千代田区から新宿区に移転したが都の体質は何も変わら
なかった」とし、移転による行政の再構築は無理と反論。
八田達夫大阪大社会経済学研究所長は「大阪に災害時のバックア
ップ機能を持たせれば良い」と提案した。
討論会を傍聴した都内の会社経営者(68)は「首都機能が移転
すれば本社を移さざるを得ないから二重投資になる」とし、「空港
から都心へのアクセスをよりスムーズにするなど東京の基盤整備に
金を掛けるべきだ」と話していた。 (了)
[共同 1月18日] ( 1999-01-18-18:31 )