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◎平山画伯が北朝鮮訪問へ
文化通じ緊張緩和促す
画家の平山郁夫氏(日本美術院理事長)が4月下旬、国連教育科
学文化機関(ユネスコ)の親善大使として朝鮮民主主義人民共和国
(北朝鮮)を訪問する。滞在中に金正日総書記と会う可能性があり、
帰路ソウルで金大中韓国大統領との会談を予定している。文化活動
を通じて朝鮮半島の緊張緩和を促す動きとして国際的に注目されそ
うだ。
平山氏は北朝鮮ユネスコの招きで、夫妻で4月23日から4日間
の日程で訪朝する予定。首都平壌の郊外にある高句麗壁画を、世界
遺産に申請するための条件などを北朝鮮側に説明するのが主な目的。
同夫妻のほか、ユネスコ関係者が2人、壁画保存調査の技術者2人
が同行する。
平山氏は訪朝後、北京経由でソウル入りし、同氏の日程に合わせ
て訪韓するユネスコのマヨール事務局長と会うほか、金大中大統領
との会談を予定。南北両首脳との画期的な会談が実現すれば、文化
を通して両国の交流を促したい意向だ。
平山氏は「政治的には一切関与しない」としているが、同壁画の
世界遺産指定のためには、北朝鮮も国際紛争を避け、壁画が描かれ
た古墳の地域一帯を非武装化する必要があると指摘。北朝鮮側に
「紛争があれば世界遺産指定は水の泡になる。平和的に国際社会の
仲間入りをするよう促すつもりだ」と話している。
平山氏は、訪朝、訪韓に先立つ4月上旬に訪米し、米国の文化団
体関係者とも会って朝鮮半島の文化交流について支援を要請する予
定だ。 (了)
[共同 3月23日] ( 1999-03-23-20:48 )