Tweet |
■米の情報提供要請、日本が拒否
731部隊
国務省「今後の協力要請」
日本側「独自調査すべき」
【ワシントン17日=樫山幸夫】
旧日本軍の細菌部隊として知られる七三一部隊に関して米からの情報提供要請を日本政府が
拒否している問題で、米国務省は十七日、日本政府の姿勢を間接的に批判、前向きな対応を促した。
国務省は、今後も繰り返し日本に情報提供を要請することを強調しているが、
日本政府は、「米が独自に調査すべきだ」との立場をとって双方の見解が対立、
両国の微妙なあつれきに発展する可能性もでてきた。
国務省筋は十七日、産経新聞に対し、この問題についての同省の見解を明らかにした。
見解は「七三一部隊を含む第二次大戦中の日本軍による虐殺は非難されるべきものであり、
それらに関する資料、情報は公開されるべきだと考えている。
われわれは日本政府に、幾度かの機会に司法省の監視リストにもとづいて
必要な情報に関する質問を提起してきた。われわれは今後も日本の協力を求めていく。
第二次大戦中の虐殺に関与した容疑者の入国を阻止するのは、必要で重要な手段だ」という内容。
事実関係への言及、日本政府に対する非難は慎重に避けているが、日本政府が、
米の協力要請に応じなかったことを間接的に認めている。
これに対し、ワシントンの日本大使館は「この問題は米の入国管理にかかわる問題であり、
米政府が独自に調査すべき性格のものだ。法治国家日本では起訴されない者、
刑の執行を終えた者は通常の国民として扱われる。日本国民の不利益になるような
情報を外国政府に伝えることはできない」との日本政府の立場を明らかにし、
協力拒否の理由を明確に説明している。
この問題は、今月四日付のニューヨーク・タイムズ紙が報じた。
司法省が、日本政府に対し、独自に割り出した七三一部隊など日本の旧軍関係者について、
生年月日など入国禁止措置をとるために必要な個人情報の提供を求めてきたが、
日本政府は要請を拒否し続けているという。
司法省は一九九六年十二月、細菌部隊として知られる七三一部隊や従軍慰安婦動員に
関与したといわれる旧日本軍関係者を入国禁止処分にしたが、
戦後五十年以上たってからの突然の決定は日本国内でも波
紋をよんだ。
この問題に対して米司法省は、産経新聞の再三にわたる取材要請を一切無視している。