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◎初のイリアンジャヤ対話
大統領に独立を直接要求
【ジャカルタ26日共同】インドネシアのハビビ大統領は26日、
独立運動を抱える同国東端のイリアンジャヤ州(ニューギニア島西
部)の情勢安定を目指し、各部族の長など約100人の代表団を大
統領宮殿に招いて初めて直接対話を行った。
代表団のトム・ベナル団長は「インドネシアの軍事侵攻で領土と
なったが、長年の統治は良くなかった。離れて独立したい。それが
住民の本心だ」と述べ、真っ向から大統領に独立要求を突きつけた。
ハビビ政権は一月下旬、東ティモールの独立容認を含む新方針を
打ちだしたが、ほかにもスマトラ島北端のアチェ特別区でも根強い
独立運動が活発化しており、各地の分離独立問題をめぐる混迷は深
まりそうだ。
アクバル官房長官によると、大統領は対話で「(独立については)
よく考えてほしい。われわれは(同州の豊かな)天然資源だけを考
えているわけではない」と強調した。
同州はインドネシア独立後もオランダ領として残っていたが、1
960年代初めに当時のスカルノ政権が反植民地主義を掲げて「解
放」作戦を実施。69年に一部住民代表の投票を実施し、インドネ
シア帰属が決まった。
しかしメラネシア系住民を中心に、金、銅など豊富な資源を収奪
されているとの住民感情があり、独立国家「西パプア」を目指す声
が根強い。武装ゲリラ「自由パプア運動」の活動も続いている。
(了)
[共同 2月26日] ( 1999-02-26-23:02 )