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グノーシス派
グノーシスと言う名称は、「知恵」あるいは「認識」を意味するギリシア語による物で、その哲学的体系の源流は、おそらく古代エジプト以前にまでさかのぼる事が出来る。
グノーシス派の教義の特徴は、知識尊重主義、および「絶対的霊」と「絶対的物質」と言う2元論に見出され、彼らは「人間は元来、神的要素を備えているので、神の啓示や霊的認識、信仰よりも更なる知識を持って、神と一体になりうる」と主張していた
さらに男女同権でも会ったので、一部には女性の司祭や司教も存在していたと言う。
こうしたグノーシスの教義は、男性の司祭しか認めず、「人間は信仰によってのみ救済される」と説く正統キリスト教にとって非常に危険な存在とされていたのである。
グノーシスの秘儀と伝統は、当然とも言えるキリスト教会の容赦無い弾圧によって、ほとんどがもみ消されてしまったが、この隠滅は、キリスト教が教会の統一を守る為に支払った最大の犠牲であると今日批判されている。
グノーシス派は、「シリア派」と「アレキサンドリア派」と言う2つの大きな宗派に別れていた。この2者は根本的教義は同じだが、シリア派は2元論で、アレキサンドリア派は凡神論的であった。
そして、グノーシスの有名な神「アブラクサス」は、アレキサンドリア派から生まれた神だったのである。
グノーシス派の根本原理は「流出論」である。
流出論とは、至高神(根、不可視の力、沈黙)から流出した宇宙的なアイオーン(宇宙の運行のさまざまな機能を司る力、時期、次元、周期)には、上から現れる「偉大な力」「万物を支配する男性」としたから現れる「偉大なる思念」「万物を産み出す女性」がある、というものである。
これは、世界の顕現が積極的原理(男性原理)と消極的原理(女性原理)の相互作用の結果である事、そして、その均衡点で起こる存在を「プレーローマ(充溢)」と呼び、このプレーローマが個体化したものがデーミウルゴス(低次世界の創造主)であるとしている。
さらに、グノーシス派では、低次世界の存在そのものが「至高の創造主」が一定の目的を持って、それらを創造した事を意味すると説いていた。
彼ら、グノーシス派は、キリストの真実の肖像を持っている唯一の宗派であると主張していた。
そして、みずからを「真実を知るもの」と呼んだ。
彼らにとってキリストはヌース(神的叡智)の人格化であり、より高次のアイオーンから流出したものであった。
彼は洗礼と共にキリストの体に降りてきて、磔の前にそこを立ち去ったとしている。
だからこそ、グノーシス派は、キリストは磔にされていないと主張するのである。
グノーシス派では、人間を三つに分類していた。
一つは未開人のようなもの(目に見える自然のみを崇拝するもの)、一つは(ユダヤ人のように)デーミウルゴスを崇拝するもの、そしてもう一つはグノーシス派と同じような祭儀を行っているものとしていた。
グノーシス派には、いくつかの分派が生まれたが、三世紀以降、哲学的世界からは消えてしまった。
そして、中世にグノーシス派を再建しようと言う試みもあったが、記録が消滅してしまっていた為、試みは失敗に終わったのである。
しかし、消えてなくなったとされていたグノーシスの秘密は、1945年、エジプトのナグ・ハマディで発見されたグノーシスの写本(ナグ・ハマディ文書)によって、新たな展開を見せることになったのである。
この写本の発見により、初期キリスト教の真実が明らかにされる事が望まれている。
以上です
これは、HDの片隅に眠ってたので何処からの出展だか分かりません。
分かったら教えてください>オイ
読むまでナグ・ハマディ文書が何なのかすら分かりませんでした。
というわけでみなさんよろしく