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1999年1月7日(木) 16時0分
首にマイクロチップ “迷い犬”解消だワン 飼い主や住所瞬時に確認へ 福岡県(西日本新聞)
福岡県獣医師会と福岡県は、マイクロチップを使った飼い犬の新登録システム導入の検討を始めた。固有の登録番号を入力したマイクロチップを体内に埋め込むことで、飼い犬が迷子になっても、捕獲・処分される前に飼い主を簡単に確認できる仕組み。最近、首輪をはずして室内などで飼っていた犬が迷子になるケースが目立ち、こうした現実に対応するのが狙い。マイクロチップは、飼い犬の「住民票」となり、病気の予防にも活用できると期待されている。
マイクロチップは長さ一・三センチ、直径二ミリで、鉛筆のしん程度の太さ。注射器状の器具を使って首の皮下に埋め込み、犬に苦痛はないという。内部には登録番号を入力しており、専用の読み取り機を首に近づけると、登録番号が分かる。
県獣医師会によると、マイクロチップは飼い主の希望に応じて、獣医師が有料(一匹当たり千円を予定)で埋め込む。その際に、飼い主の名前や住所を犬の番号とともに登録。データは日本獣医師会が管理し、全国から照会できるようにする。
マイクロチップの読み取り機は、福岡県内の保健所から迷い犬や野犬が持ち込まれる同県動物管理センター(古賀市)に設置。処分される前に、持ち込まれた犬が登録されているどうかを識別する計画だ。
同センターは九七年度に約一万四千匹の犬を処分したが、保健所などに捕獲された犬が約八千匹を占めており、県獣医師会は「マイクロチップが普及すれば、処分されずにすむ飼い犬がかなりある」とみている。獣医師会から協力を依頼された県も、機器設置に向けて具体的な検討に入った。
県獣医師会の原口徹朗事務局長は「動物愛護の観点から迷い犬の発見が第一主目的だが、予防注射の状況も登録して、疫病予防にも役立てたい」と強調。県とは別に動物管理センターを持つ福岡市、北九州市にも連携を呼び掛けている。
[西日本新聞1999年1月7日]