神戸事件について、興味深い内容。ポエド委員会!


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投稿者 ★阿修羅♪ 日時 1999 年 2 月 13 日 03:34:06:

情報操作レポート 第一号(1999年1月7日発行)

 神戸事件の報道を考える会(一〇・一一集会)に参加して
        三浦英明(M君裁判を考える会)

 民事訴訟については、十月十一日の集会で経過を聞い
ていましたので、「和解」というのは、そんなに驚きで
はありませんでした。そうは言っても、今後の展望を開
く必要はありますので、感想を述べてみます。

 十月十七日朝刊の朝日新聞記事を見ると、「原告代理
人の井関勇司弁護士は『和解協議の中で審判記録の開示
を求めることも検討したい」とあり、「この点につい
て、少年側代理人の吉井正明弁護士は『できるだけ協力
したい』とし、付添人の一人は『手続きとして開示は可
能だが、少年側が承諾し、第三者のプライバシー保護な
どを検討したうえで判断することになる』との見解を示
している」ので、とりあえずは井関弁護士と吉井弁護士
との話し合いに期待するしかないのかなという気はしま
す。「第二次人身保護請求」棄却を受けて、最高裁への
特別抗告の準備に入ったこと、警察官、検察官を「特別
公務員職権濫用罪」で告発など、事態はそれなりに進展
しているので、期待はしています。

 気になることを一つ。「吉井正明弁護士らによる和解
の要請を弾劾する!」チラシのことです。事実関係とし
て、吉井弁護士のやったことを指摘するのは必要だと思
いますが、弾劾となるとおだやかではありません。「自
己保身」が悪いと、指摘しているのですが、わたしに言
わせれば、自己保身というのは人間の性(さが)のよう
なものなので、それをつついても体をまるめてしまうだ
けです。このようなチラシを読めば、向こう側は「過激
派対日共」の図式で解釈して、心を許すことはないと思
われます。吉井弁護士がすべての面で弾劾に値すること
はないはずで、まともに扱った事件もあるのでは。まと
もに事件を扱った内容を、正当に評価するのも必要で
す。そうすれば、少なくとも話し合いのきっかけとする
ことはできます。井関弁護士に対しても同じように考え
ています。


 もともと神戸事件については関心をもち、東京・関東
の集会には顔を出していました。神戸の十月十一日の集
会には、拙著の『DNA鑑定』を販売したいという連絡
が入り、それならこの際だから行ってみようと思ったの
が、参加したきっかけです。参加してよかったの一言で
すが、なにより熱気に溢れていたこと、糸ノコギリや金
ノコギリなどを展示して具体的に見せていたこと、学校
給食の現場でかなりの労働強化が行われていることを知
ったこと、最後の団結がんばろうで、後藤昌次郎弁護士
がすばらしい発言をして、ふだんは団結がんばろうなん
て、言いたくないわたしまで、「がんばろう」と言って
しまったことがあげられます。


 あまり触れられていない点について書いてみます。そ
れは、被害者の首にほどこされた細工です。『真相』一
八ページに、被害者の「頭部は口の両端が耳にむかって
切り裂かれ、両目はまぶたの上下にまたがって『×』印
の傷がつけられていた。そして口には、『学校殺死の酒
鬼薔薇』という署名の入ったA4大の紙片がくわえさせ
られていた」とある部分です。

 週刊文春一九九七年六月一二日号三四ページに書かれ
ているのは、「『凄惨なのは口です。両口端が耳元まで
約七センチの長さにわたって完全に切り裂かれていまし
た。そして、二つ折りにした白い紙をくわえさせられて
いたんです』……
 『さらに犯人の残虐性を物語っているのは、目です。
目玉が完全にくりぬかれていました。カッターで切った
ような傷はない。おそらくスプーンのようなものでくり
ぬいたんじゃないでしょうか。目玉はまだ発見されてい
ません』
 他にも、まぶたと目尻にかけて何条かの縦の切創、×
印の切創もあったという」

 週刊新潮一九九七年六月一二日号一四七ページにも似
たような記述がある。
 問題となった文芸春秋一九九八年三月号一二四ページ
に掲載された少年Aの検察官供述調書では、「持ってき
ていた『龍馬』のナイフを取り出して、まずB君の両方
の目を突き刺しましたが、正確に眼球を突き刺したかど
うかまでは分かりません。
 目を突き刺した後、更にB君の口の中にナイフを入れ
て、口の方から、それぞれ両耳に向けて切り裂きまし
た。
 B君の瞼を切ったり、口を切り裂いた様子は、今図面
を描いたので提出します。[この時本職は、被疑少年が
任意に作成し、提出した図面を受け取り、資料六とし
て、本調書末尾に添付することとした。]」となってい
る。

 この調書では、目玉云々は出てこないので、死体鑑定
書で確認する必要はある。

 弁護士というのは、調書のみで判断する傾向があるの
で、資料が添付されていたりすると、それを信用する可
能性はある。吉井弁護士の「司法界の常識に添って」と
いうのは、そういう意味かもしれない。だからこそ、調
書のチェックはぜひとも必要なのですが。


 顔につけられた傷のことを知って、かぼちゃおばけ、
のようだと思ったが、やはり同じようなことを考える人
もいて、さきほどの週刊新潮はつづけて「その形容は、
ハロウイーンのカボチャを想像させるものだったとい
う。ハロウィーンとは、米国で毎年十月三十一日にカボ
チャのお面をかぶったり、仮装をして、子供たちがいろ
いろな家庭を訪問する伝統的なお祭りである。犯人はそ
のハロウィーンのカボチャに似せようとしたのではない
か、というのだ」と書いている。

 ハロウィーンのお祭りは、最近日本でも少しは知られ
るようになったが、そんなに浸透しているわけではな
い。わたしの場合はブラッドベリーの小説で知ったと思
う。主に米国で、大きなカボチャをくりぬき、目鼻口を
つけ、中にろうそくをともして窓際に飾る。これはしゃ
れこうべの変形であろうという。悪魔などに扮装した子
どもが「ごちそうくれなきゃ、いたずらするぞ!」と言
って近所を回り、近所の人は「わあ怖い」と言って菓子
や果物を与える。ハロウィーンは、キリスト教の行事と
して扱われているが、もともとは、古代ケルト族の大き
な火祭りであった。ゲーテの『ファウスト』などにみら
れる中世の魔女のサバトのうち、十月三十一日のサバト
が最も盛大という。サバトだということは、もっと強調
してもいいことかもしれない(この項は『世界大百科 事
典』平凡社二三巻一六八ページ、『英語歳時記』研究社
出版八〇九ページ、『ジーニアス英和辞典』大修館書店
八一六・九七〇ページによる)。

 顔に傷をつけた理由として、調書では同じ文芸春秋の
一二三から一二四ページにかけて、「僕は、死体にまだ
魂が残っているので文句を言うのではないかと思い、魂
を取り出せば黙るだろうと考えました」「この様にして
B君の口等を切り裂いた後、更に、B君の顔を観賞と続
けましたが、その後は、B君は文句を言わなくなりまし
た」としている。

 こんな説明で納得できるものだろうか。

 ここでボエド委員会から送られてきたという「『神戸
小学生殺害事件』の真相(「酒鬼薔薇聖斗」完全暴露)
なる怪文書を見てもおもしろいかもしれない(全文は
「歴史修正研究所紀要」第五号に掲載されている)。

 その五枚目に「サムソンなる人物は、目玉をくりぬか
れて尚目的を完遂するというすさまじく犠牲的なユダヤ
の英雄だが、神話、伝説に詳しい方ならこのサムソン伝
説がギリシャ神話に登場する『メデューサの首』説話を
モチーフにしていることは御存じであろう。詳しくは述
べないが『酒鬼薔薇』がJ(実名)の首をメデューサの
首に見立てて『死と復活のキリスト教的(勿論ユダヤ
の)密儀』も併せて行なっていた痕跡が間違いなくある
ということをここでは指摘しておきたい」とある。

 何を言っているのかよくわからないが、雰囲気だけは
感じると思う。

 同じ文章のちょっと前に、小田晋教授が「(犯人が)
カルト的な黒魔術を行なった」と主張した、と書いてあ
る。

 「神戸事件と報道を考える会会報」第7・8合併号で
批判されている『悪魔の生贄殺人』(第一企画出版)二
二〇ページでは、まぶたの切り傷からフリーメーソンの
儀式殺人と推定している。

 これらの顔を切り刻む行為の説明は、内容的に荒唐無
稽なこととして無視してよいものだろうか。別に信用し
ているわけではないのだが、本当に考える際のヒント、
参考になりはしないかと引用した。少なくとも説明しよ
うという意思がある点は評価してもいいと思っていま
す。なぜあえてこんなことを書くのかと言うと、真実を
追及しようとしている『真相』にしろ、「解放」にし
ろ、この顔切り刻みをほとんど説明していないからで
す。


 最後に述べておきたいのは、一九八八年から八九年に
かけて埼玉・東京でおきた幼女連続誘拐殺人事件(いわ
ゆるM君事件)と神戸事件との類似性だ。多々ある類似
点の一つとして、宮沢湖霊園で発見された首・手・足が
切断された遺体がある。解剖結果を聞きたかったが、司
法解剖を担当した井出一三防衛医科大教授が、遺体発見
ひと月後に急死してしまった。もう一つだけ述べると、
犯行声明・告白文の用紙が、いわゆるアメリカ・カナダ
の公文書に使用されるリーガルサイズに酷似している点
がある。犯行声明の場合はリーガルサイズより三ミリ、
五ミリ大きいが、この程度の違いは断裁によって生じ得
るという。このことは神戸事件でも指摘されている「異
人」さんの存在を匂わせるものとなっている。このへん
については「法学セミナー」一九九三年四・五・六月号
に書いたことがある。両事件の類似性については、いず
れきちんとまとめてみたいと思っています。

 最近話題となっている小松川事件だが、これもM君事
件と似ている。片や読売新聞社会部と犯人との電話での
やりとり、片や朝日新聞本社に郵送された犯行声明と告
白文。小松川事件では犯人が被害者の葬式の日に当人の
クシを郵送してきた。M君事件では、やはり被害者の葬
儀の日に告白文を送りつけてきた。

 三事件に共通するのは、犯人とされた少年A、宮崎
勤、李珍宇の三人が三人とも「自分はやってないと言わ
ない」ないし「言わなかった」点です。  ちなみに
『李珍宇の謎』を執筆した小笠原和彦の近著は『宮崎勤
事件 夢の中』(発行:現代人文社、発売:大学図
書)。

       (一九九八年一〇月二九日記)


 (この文章は、神戸事件の真相を究明する会『私は思
う 神戸小学生惨殺事件の真相第5号』のために書いた
ものですが、掲載されたもの(11〜12ページ)はまん中
へんが省略されてしまいましたので、オリジナル原文を
提供します。ただ、タイトルは「過去の事件との類似
性」に変更になっており、こちらの狙った意図に沿った
ものになっています)





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