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◎対日関心のシグナルと分析 北朝鮮の対日非難で外務省
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が今年に入って日本への非難
を強めていることについて外務省は、非難の激しさとは裏腹に「日
本を気にしている証拠だ」(幹部)と、北朝鮮が対日関係改善に関
心を持っていることを示すシグナルと分析している。
日朝関係を「交戦直前」と決め付ける北朝鮮側の態度からは、か
け離れた解釈との感も強いが、外務省は「言葉の裏側に別のメッセ
ージを読みとることができる」との見方から、北朝鮮側の今後の出
方を注視していく方針だ。
北朝鮮は、1月下旬から朝鮮中央通信や政府の機関紙などを通じ
「(地下核施設疑惑に絡み)査察をしつこく求める米国の外交戦略
に追従している」「交戦直前の重大な事態に置かれるに至った」と
対日非難を展開している。
小渕恵三首相が、北朝鮮の建設的対応を条件に関係改善を図る意
思を表明していることに対しても「ごう慢」「愚かな策動」と切り
捨て、「日本は第一の攻撃圏内にある」と警告してきた。
これに対し外務省は、非難のトーンより、その頻度が高まってい
ることを重視。さらに新日韓漁業協定や、日米防衛協力のための新
指針(ガイドライン)といった個別の問題にも「的確にポイントを
つかんで非難している」(外務省筋)と分析し、「日本との関係を
完全に切りたくないという意思の表れだ」(幹部)ととらえている。
(了)
[共同 2月 8日] ( 1999-02-08-15:44 )