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独企業に重いナチス十字架 補償問題で買収妨 共同通信 2/ 3 14:03
害も
【フランクフルト3日共同】米バンカース・トラスト買収によっ
て世界最大の銀行を目指すドイツ銀行や世界3位の自動車メーカー、
ダイムラークライスラーが“ナチスの十字架”におびえている。
ドイツ銀行の場合、金塊略奪、大量虐殺、強制労働など第二次大
戦中のナチス暴虐の犠牲になったユダヤ人国際組織が「補償問題で
合意がない限り、ドイツ企業による米企業買収を支持しない」(世
界ユダヤ人会議)と迫っているためだ。
昨年11月に米クライスラーとの合併を完了したダイムラーも、
ユダヤ人による不買運動をひそかに恐れている。
このため、ドイツのホンバッハ首相府長官が近く訪米、米政府と
包括的な解決策を協議する。
長官はドイツ経済界の資金を基に20億−30億マルク(約13
60億−2040億円)規模の共同基金案を示す意向とされるが、
銀行はじめドイツ経済界が必要な資金拠出に応じるかどうか不透明
だ。
ドイツ銀行が特に問題にされているのはナチスがユダヤ人から略
奪した金塊とのかかわり。「ユダヤ人側が買収に関する公聴会で手
続きを遅らせる戦術に出て買収が数カ月延びれば、ドル高になって
資金の工面が難しくなるといった事態も否定できない」(金融筋)。
ドイツ・ユダヤ人中央評議会のフリードマン理事は「共同基金に
より組織の要求には対応できても、個々の訴えは回避できない」と
指摘。ドイツ銀行とダイムラーもフォルクスワーゲン(VW)と同
じように独自の企業基金を設立すべきだと提唱している。 (了)
[共同 2月 3日] ( 1999-02-03 14:03 )