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バ:ジャック・バレー博士(仏)
ハ:J・アレン・ハイネック博士(1910-1986)
ヘ:アーサー・ヘイスティングス博士(心理学者)
バ「ではハイネックさん、私は詮索好きのジャーナリストの役を演ずる事にしましょう。米空軍が空飛ぶ
円盤をどこか地下の秘密研究所で造って、機密にしているんじゃないですか?」
ハ「そんな事はありえませんよ!」
バ「しかし、誰かが非常に進歩した原理を既に発見しているかもしれない。この説のどこが間違ってます
か? アルファケンタウリか何かの変梃な文明云々より、遥かに無理のない見方じゃありませんか?」
ハ「OK、この仮説を検討しなくちゃなりませんね。講演の際、その質問が出ると私は次のような論点か
ら反論しています。
第一に、この種の進歩した結果を25年もの長期に亘って秘密にしておく事は難しいという点です。ジャ
ック・アンダーソンみたいな腕利きのライターが全貌を掴んでしまうに決まってますよ!」
バ「じゃあ、貴方は秘密はないと本当に思っていらっしゃる訳ですね?」
ハ「UFOの推進原理などという重大な秘密でないなら、あると思いますよ。例えば、ある種の探知不能の
無線通信装置等は、初期には秘密が保たれてましたよ。けれどこれも、数年前頃から誰でも知ってるよう
になっちゃいましたがね」
バ「ですがある国、特に大国にとって秘密を維持する事が本当に必要だったら、やりおおせるんじゃない
でしょうか?」
ハ「もしそうしているとすれば、貴方の勝ちですが、私が強調したいのはどんな秘密であれ、長期になる
程維持するのは困難になるという事実です」
ヘ「そういう重大性を持つ秘密プロジェクトの例は今までにあったんじゃないですか?」
ハ「勿論あったでしょう。具体的にはわかりませんからね」
バ「マンハッタン計画なんかはどうですか?」
ハ「よい例ですね。あの計画も、もう少し長引けば隠しておけなかったでしょうね。というのは、我々は
多くの科学者が何かの任務につく為に、次々と姿を消していくのをハッキリ知っていたから…。
“あの重要人物はどこに行っちゃたんでしょうか?”
ある日何気なく聞いたら、関係者と思しき人達はピシャッと口を閉ざしてしまったんですよ。そりゃそ
の筈です。彼は原子爆弾を造ってたんですからね。それまで毎週会っていたんですが、突然消えてしまっ
た。ああそうか、何かの特務についたんだなってわかるんです。多くの人間がオークリッジとかの秘密の
場所に隔離されるんで、長くなると却って秘密が保てなくなってしまう」
バ「その場合は大勢の人が消えるからわかっちゃうんでしょう? もっと少なければわかんないじゃない
ですか?」
ハ「それはそうです。もし10人位で計画実行できれば、数百年にも亘って秘密保持もできるでしょうよ。
ところがことUFOに関しては大量の目撃事例が発生してますから、つまり、巨大プロジェクトだって事だ
と思います」
ヘ「誰かがこっそり秘密研究所で造って飛ばしているんだ、という仮説に対する反駁として他の論点はあ
りますか? 一つは秘密保持の困難性だという事はわかりました」
ハ「もう一つは一般的に、秘密の機械装置の試験飛行を百カ国もの異なった国々の上空でやらかす筈はな
いって事ですよ! 普通は秘密にやりますよね。特に人口の多い地域の上空ではやらないんじゃないです
か。勿論UFOの出現は辺鄙な地域に多い事は事実ですがね。ところが辺鄙な所の軍事基地上空に、しばし
ば出現するって事はどういう事なんですかね。
なぜカンサス州デルフォスだとかテキサス州マーリンとかの軍事基地地帯を選ぶんでしょうか? もっ
と本当に人目につかない地域が一杯あり、そこで試験飛行すれば完全に秘密が保てるというのに。
第三番目は道義的問題です。我々はもう25年も前から、鋭角変針や急激な離陸をやってのける−全て目
撃者が報告しているUFOの飛行特性ですが−信頼性の高い技術を既に持っていたとしましょう。そしたら
我々は、宇宙飛行士達を月旅行に送り出すのに、旧式の化学燃料を使ったりはしませんよ!」
バ「そうすると、本当にアメリカ政府がやっている筈はないんだって事ですか」
ハ「その通り。他国からやって来ている可能性はありますがね。しかしどこかの国の政府でなきゃ、でき
ない事ですね」
ヘ「その場合も暗黙の内に誰かがこの種の技術体系を発見した、という事を前提にしなくちゃならない訳
ですね。我々には説明できない体系をね」
ハ「そうです。狂気の天才かそのグループかもしれませんがね」
ヘ「或いは生きているテスラかもね」
ハ「そうです」
バ「或いはオカルト集団かもしれませんよ」
ハ「そうねえ。彼らは一般に水がH2Oだって事すら知らないんです。つまり物理学的世界との関係を拒
否するんですよ。そして物質をどう扱うかって事はまるで知らない。しかし他方では、もしかすると別の
物理学を掴んでいるかもしれませんね。彼らは別のやり方を発見しているのかもしれない。貴方の仰りた
い事は、こういう事でしょ?」
バ「多くの技術は極めて直線的に発達します。我々が現在なぜ電波望遠鏡を持っているのかというと、第
二次大戦の為なんですよね。既に電波についてよく知っていた人がいて、ふと思いついたって訳です。そ
の技術的発展の延長線上にある適切な形をね。
あるグループが合理的思考の延長線に沿って研究を続けていたとしましょう。そして遂に全く違った認
識方法を発見したと仮定してみませんか? 彼らはまだ準備の整ってない世界に公表した結果、引き起こ
される事態を恐れて秘密にするんじゃないでしょうか?
我々はなぜアインシュタインの方程式を公表したのでしょうか? どうして秘密にしておかなかったの
でしょうか? その理由は我々が賢明でなかったからです。
先程のグループは賢明であり、彼らの発見を秘密にしているのだと仮定してみましょう。そして今や秘
密の場所でUFOの建造を始めているんだとね。これは乱暴な理論でしょうか?」
ハ「その通りですね。なぜ我々は秘密にしておかなかったんでしょうかねえ。そうすれば原子爆弾なんて
無かった筈でしょうね」
ヘ「それだと以前問題になった、搭乗者が石を拾ってバッグに詰める、なんて事をやって宇宙探検のフリ
をしているという、奇妙な行動の説明はつきますねえ。宇宙人にみせかけて秘密を守るって訳ですが…」
バ「ところでオカルト集団説そのものはどうでしょうか? 私からこの説の問題点を出しますとね。アメ
リカのオカルト団体の現実はそんな大それた事などできそうにない、やわでいい加減な存在なんですね。
キ印とか観念論者だと
か、それに婆さん達がウジャウジャいるって訳なんです。しかし、もしもっと精鋭
な分子からなるオカルト集団があって、しかもその存在を完全秘匿しているとすれば、話は違ってきます
よ。大規模な世論操作をやる動機も手段も充分持ちあわせている、って事になりますからね」
バ「今日はブレーンストーミング方式でいきましょう。まず2000年までのUFOの展望について、考えられ
る限りのあらゆるシナリオを出し合ってみませんか?
第一のシナリオ。事の成り行きは過去25年間と全く同じ。UFO関係の本が引き続き後から後から出版さ
れるが、変わった事は何も起こらない。相変わらず2、3年毎に集中発生が繰り返されるが社会的に強い影
響を及ぼす事にはならない。また直接的脅威がある訳でも、着陸事例の大量発生が起こる訳でもない。
この場合の結果はどうなりますかね。幾つかの理論が変わってくるでしょう?」
ハ「そうですね。搭乗者達が地球を侵略しようとしている、という理論は変わらなきゃなりませんね」
バ「そういう事ですね。もし敵対的ならば、しかも現在までずっと地球に敵対していたなら、今後25年間
に我々を侵略する以外のよい事をする筈ありませんからね!
では次に、これと対極のシナリオを出してみましょう。
第二のシナリオ。連中は着陸して占領する。彼らは言う。“我々はゼータレティキュリから来たのであ
る。もうそろそろおっぱじめてもよかろう”」
ハ「彼らは言う。“我々は蛋白質がもっと食いたいのだ。お前達はその蛋白質なのだ!”」
バ「或いはこう言うかもね。“これからはもう水爆を作る事は止めにして頂きたい。それから、この星間
条約にサインをして貰わなくちゃいかん。銀河連邦に入れて貰う為には、どの惑星もこれに署名する事に
なっているのだ” これがもう一つのシナリオ。
さて次は、第三のシナリオ。連中は地球に来るのを止めて、完全に引き揚げてしまう」
ハ「コンドン委員会が発足した時、それが一番恐かったんですよ。歯が痛むんで歯医者に行ったら、痛く
なくなってしまっていた、というような事になるんじゃないかってね。物事は、えてしてそういう始末の
悪い結果になりがちですからね」
バ「当時、大きな目撃集中発生がスペインで起こったんですが、コンドンは何も知らなかったんです。そ
こで私は彼にその事を話し、彼のプロジェクトは国際的視野で調査研究するんでしょう、と尋ねたらね、
何と彼が言うには“いいえ、我々はアメリカでの目撃例だけ扱うんです”って訳でしたよ」
ヘ「それは、米上空の流星だけを研究する、というのと同じ事ですね」
バ「他にまだ違ったシナリオはありませんか?」
ヘ「一つありますよ。
第四のシナリオ。我々は連中と接触する方法を見つける。それは透視術やテレパシーみたいな主観的能
力によるものであり、接触できる人とできない人がいる事がわかった場合。これはもう一つのシナリオに
なりますね」
ハ「接触できる人がエリートになって、できない人達を支配する事になりますね」
バ「そうなると我々の社会には新しいエジプト型の階層社会が形成されるって訳です。ファラオが至高の
実在との接触を保っている高僧達に取り巻かれ、奴隷の地位に落とされた一般民衆を支配する」
ヘ「そして実際には、これに憤激した民衆が蜂起し、それらを打倒し焼き払い、社会は崩壊する。やがて
新しい魔女狩りが始まる。(中略)更にもう一つ別のシナリオを提出しましょう。
第五のシナリオ。空軍がUFOを撃墜する。その結果、異星人は反撃体制に入り、地球側の全ての電気通
信網を止めてしまう」
ハ「“一つ撃墜してみれば、友好的か否かすぐわかるから試してみよう”って事でやりかねないですね」
バ「この事について、デトロイトで行った世論調査は大変面白いですよ。どう対処すべきかという質問に
は26%の人達が撃墜すべきと、74%が撃ってはいけないと解答しているんです」
ヘ「ここでは将来起こり得るシナリオ群を討論してるんですよ。例えば今問題にしているのは、充分な基
金があって、出現場所や時間が、集中発生のデータ解析から予測可能になった場合ですよ。その時貴方達
は何をしますか? その場所に出かけて行くんじゃないですか? そして異星人の注意を引いて話し合い
たがっている事をわからせようとするんじゃないですか?」
ハ「そうですね。だがもし、連中の受けている航海命令ならぬ航宙命令が、いかなる状況でも地球人と直
接接触してはならない、ってものだったら我々としてはどうにもならないですね」
ヘ「既に接触している、と考えられるんじゃないですか? 尤も一方通行みたいな形ですが」
ハ「そうです。完全に調査目的という策略としての接触をね」
ヘ「こちら側からも接触する実験を何かやってみたらどうなんでしょうか?」
ハ「キーホーは彼の本の中で、UFOを誘き寄せる為に、偽のUFOを見通しのきく原っぱに置いておく“プ
ロジェクトリュア”を提唱していますね」
ヘ「それはカーゴカルトみたいなものですか? ニューギニアの人達が飛行機を誘き寄せようとして、偽
の飛行機をジャングルに作って並べておく、あの類いの?」
ハ「ええそうですね。ある角度から見れば一種のカーゴカルトですね。だけど異星人達は大笑いして言い
ますよ。“ギャハハ、地球の奴らは何て馬鹿なんだろう”ってね」
バ「もし私が異星人だったら、私を待って原っぱに座り込んでいる連中等を見つけたら、大急ぎで逃げ出
しちゃいますね。さて、もう一つシナリオがありますよ。
第七のシナリオ。誰かが異星人が何ものかを掴み、本に書いて出版してしまう。何の為にやって来たの
かも全部暴露してしまう。それでUFOの振る舞いが変化するかどうか大変興味がありますね」
ハ「“なぜ、特に地球にこんなに沢山やって来るのか?”という疑問に対しては、一つ言える事がありま
す。地球人類は、広い宇宙でも比類のない位好戦的なので、特に監視しているという事はあり得ると思い
ますね。人類史400万年中、100年間の平和な日々を差し引いた残りは明けても暮れても戦いばかり、って
訳ですから。しかも今では、この人類が突如、科学的技術時代に突入したんですからね」
バ「そう、特に最近の数百年は戦争以外は何もやらなかった。変化があったとすれば、戦争の規模がどん
どん大きくなってきたというだけ」
ハ「その上、帆船キティホークからアポロまで僅か70年、とまあそんな訳ですからねえ。しかし、私とし
ては特にあのルナンの仮説の線で考えたいんです。つまり百万年後のNASAが他の太陽系を探査した結果、
知的生物は全然いないという事がわかったとしましょう。しかし、その惑星系に一
万以上の人工惑星を宇
宙モニターとして仕掛けておきます。(中略)突然、百万年位たってから、この太陽系のモニター探査機
が報告を送り返し始める事になるでしょう。“アーッ、地球の原形質から発生進化していたケチな人類が
急に面白い事になり始めた。もっと観察を強化する必要がある”とかなんてね」
ヘ「特に核爆発の放射能などを捉えたりしたらね」
ハ「そう、放射能なんて事になれば、それこそ緊急警報を送るでしょうね。ですから人類は、宇宙的な意
味で関心の的になり得るといえると思います。
今度は別の軌道上のシナリオを考えてみたいんですがね。将来NASAが探査中、例えば地球の8、900年
頃の水準の異星文明を発見したとしましょう。宇宙飛行士に与えられる命令は一体どんなものでしょう。
恐らく未熟な異星人に一切干渉するな、と命令するんじゃないですかね。つまり、干渉により物凄い文
化的衝撃が発生する恐れがあると思います。更に、できるだけ混乱させろ、と命じるでしょうね。彼らが
UFOを目撃しても、宇宙船なんかだとは決して信じないようなおかしな事をやらかせとね。
“あれがなんで宇宙船なんだ。宇宙人があんな変梃な事する筈がないじゃないか! どうしてしょっちゅ
う車を停めたり、動物達を怯えさせたり、ありとあらゆる気違いじみた事をするのかね。宇宙船でやって
来るような賢くて、正気の宇宙人はあんな事はしないよ!”
なんて異邦人が言うように仕向ける訳です。カウンターエスピオナージテクニックってやつですよ」
バ「だとしても、調査対象となっている惑星に着陸せずにやれますよ。遠隔操作でね」
ハ「その通りですね。百万年後のNASAは、大型探査機などは送らないでしょうからね。連中は超小型化
の技術をものにしているでしょうよ。…丁度昔の真空管は、現代のコンピュータの集積回路と比較できな
いのと同じです。他の惑星を訪問するロボットや知的生物−恐らくロボットと生命体の差は殆どなくなっ
てしまっているでしょうが−は独特な文明の進化過程に干渉するなと命令されるとは思いますが、他方我
々は好奇心があり、直接見たいと思うんじゃないでしょうか」
ハ「例えば百万年後のNASAが、間違った方向に歩み、自滅の運命を辿り始めている異星文化に対し、何
かしようと決定したと仮定しましょう。心からの好意に基づき、問題の文化を変化させる為、若干の予算
充当の決定をしたとします。直接介入して接収するのではなく、内部から変化を引き起こすようにした方
がいいですね。しかも百年か二百年の猶予期間があるとしましょう。どうやって変えますかね?」
バ「ここでエメ・ミシェルが言っている、接触の本質という問題を持ち出す必要があります。我々、つま
り接触される側が、その目的を理解する必要があるのか? という問題ですね。猫は、飼い主が仕事から
帰って来た事を理解しますか? 私は勤め先から帰宅した時は、コンピュータ端末機の前に座ってロンド
ンの友人と、これから先10年は実現しそうもない事に関して連絡し合いますよ。猫なんかほっといてね」
バ「ではこのへんで次の仮説群カテゴリー1B、地球内非人類知性体に話題を移してみませんか?」
ハ「そうですね。面白そうな話題ですね」
バ「“コントロールシステム”というような仮説は、単なる思弁的なものに過ぎなかった訳ですが、この
説は最近の現象以前からある伝承や伝説に裏付けられたものなんです」
ハ「1897年にあった事は確かですね。そしてもっと古い時代にもね」
バ「地球上の全ての文化の伝説には、空飛ぶ超能力を持ち子供をさらう小人の伝説があります。ある場合
は、人間の女性と同棲し、ある時は役立つ存在で、遊び好きだったり、ある時は破壊的で予想もつかない
気紛れな行動をとったりするんですね。この種の伝説はアイルランドやブルターニュに限らず、インディ
アン、エスキモー、中国人、日本人、ソ連人の住むあらゆる場所と文化の中にあるんですよ」
ヘ「彼らは乗り物を持っていますか?」
バ「インディアンの伝承によれば“空から降りてくる篭”に乗ってやって来るそうです」
ハ「シオインディアン達が言うには、天空人達は帰る段になると、矢の中に入り込んで出発するんです」
バ「いいですねえ。これはUFOの説明だと考えるのは間違いでしょうか? しかし問題点があります。そ
の乗り物の部分等が残っている筈なんです。地質学者や考古学者は、あらゆる所で色々な古い人工物を発
見しています。だが未だ、エンジンやコンピュータやヘルメットとかいう類いは見つけてないんですよ」
ヘ「地球内非人類知性体が、残す事を必ずしも期待すべきじゃありませんよ」
バ「どうして期待しちゃいけないんですか? 仏ブルターニュでは1850年頃までその種の伝説が伝わって
いたんですが、蒸気機関と産業革命がこの小人達を追い出してしまったという事なんです。つまり工業文
明の発達と同時に、どこかに消えてしまったんです。どこに行ってしまったんでしょうかねえ。何れにせ
よ、彼らが棲んでいた洞窟か何かの所に行けば人工物の残骸が見つかる筈じゃありませんか?」
ヘ「突然物を物質化したり非物質化する方法を発見したと仮定しましょう。そしたら我々は、後の時代に
何らの人工物を残さないって事も可能ですよ」
ハ「10年以内に自己崩壊するような物質って訳ですね」
バ「それはそうですが、家や古い建築物は残りますよ。それに遺跡が残されます」
ヘ「アーサー・C・クラークは彼の本の中で、全ての品物が思念されるだけでコンピュータにより生産さ
れる社会を前提しています。貴方が何か欲しいと思うと、コンピュータが作動し、要求された仕様通りの
物を造り出すって訳です。勿論三次元の物体ですよ」
ハ「やがてNASAは火星や木星にまで機械類を運ばずに、単に思念だけを送りつけ、現地で物質化するよ
うな日が来るかもしれませんね」
ヘ「地球内非人類知性体の問題ですが、接触や接近遭遇事例の多くが示している生物は、初期の神学的又
は人類学的存在の描写によく似ていますね」
バ「その通りです。しかし生物学的にはどうも同意できないんです。これは、この説について指摘される
べきもう一つの問題点です。多くの研究者は生物学的視点から見て妥当でない−怪物とか一寸法師みたい
な−生物は目撃者の見間違いとして片付けています。彼らとしては“現実のただ一つの型”に報告が集中
して欲しいんですね。つまり進化論的に極めて進んでいる、という生物学的要請に矛盾しない大頭の小人
型生物にですよ」
ハ「私の前任者ディアボーン天文台初代所長は瞬間計算能力者で、子供の頃神童といわれたそうです」
バ「その人はまた1897年の飛行船を“説
明した”人物だった事をヘイスティングスさんに話しました?」
ハ「そうそう、彼はかの問題の人物…、あれは本当の事です。貴方からその話をして下さい」
バ「1897年、シカゴで数百名の人々が謎の飛行船を目撃しました。そこで新聞記者達はディアボーン天文
台所長の所へとんでいって、あれは何かと尋ねたんです。すると彼は、今食事の最中だとか何とかいって
30分後に来て欲しいといったんですね。彼らが引き揚げていった時、怪飛行船はまだ空に見えていたとい
うんです。ところが30分後にはもう飛び去っていました。そして屋外に出て来た彼は、空に大きな輝く物
体を見つけて言いました。“ああ、あれかね? あれはオリオン座のアルファ星だよ!”
そして観測ドームに入り、望遠鏡を問題の星に向け勝ち誇って、方向仰角からオリオン座アルファであ
る事を確認してみせたという訳です。既に謎の飛行船は、どこか他所に行っちまってたっていうのにね」
ハ「しかし、HP45型電子計算機のコンピュータ用語ハンドブックの説明は、彼が複雑な数学問題を解けと
いわれた時の逸話から始まってます」
ヘ「UFO目撃は、単に地球上のあらゆる場所で発生しているだけでなく、大気圏外つまり宇宙空間でも発
生しているっていうじゃないですか? 例えばアポロ11号の月探検宇宙飛行の際、乗っていた3人の宇宙飛
行士らも目撃したっていう話はどうなんですか?」
ハ「あの宇宙飛行士達の話ですか? 私はNASAの映画フィルムの各コマを検査したんですが、非常に興味
深い物でした。特に11号の月飛行の時撮影された物等はねえ。あれはNASAがどうしても何かの説明をつけ
れらなかった、珍しいフィルムの内の1つとなりましたよ。それに何人もの充分訓練を受けた飛行士が、何
なのか全然識別できなかった物体を、肉眼で視認したと報告しています。
という事はですね、つまりUFOの定義を満たすって事ですよ! アンアイデンティファイドって訳なん
ですからね!(中略)」
ヘ「月に向かう宇宙船に、UFOが先行する形で随伴して飛んだって、宇宙飛行士達が報告したってのは本
当の事なんですか?」
ハ「本当の事ですよ」
ハ「私が1956年から60年までスミソニアン天文物理観測所所長代理をやってた頃、当時私は米国の人工衛
星光学追跡計画の責任者でした。写っていたが、衛星追跡組織の仕事じゃないって、追跡されなかった正
体不明の物体が沢山ありました。ある人達は、ベーカー・ナン写真機群はUFOなんて全然撮影してないっ
て言い触らしてますが酷い出鱈目ですよ。実際は一杯撮影したんですから。あの作業の責任者はこの私だ
ったんです。あの当時は、あの種の正体不明の物体に関わるのはなるべく避けました。あの奇怪な光点群
を追跡するのは大変な大仕事でね。それを始めたら、本来衛星追跡の為に配備された連中が、それどころ
じゃなくなってしまったでしょうからね。レーダー網もあらゆる種類の変梃な目標をしょっちゅう捕捉し
ています。しかしあれを扱っているのは軍人達ですからね。UFOに一々付き合ってたんじゃ任務が遂行で
きなくなりますしね。地球上の仮想敵国じゃないとわかった途端、我々には無関係だって訳ですよ!」
(『THE EDGE OF REALITY』からの抜粋記事−1980 by J.Allen Hynek & Jaques Vallee−より)
ブライアン・マイヤーズ
「私は最初の頃、UFOに関して無知だった。しかしUFO研究の最高権威ハイネック博士をブルーブック顧
問に迎えてからは根本的に違った。我々調査メンバーにとって、当時UFOが実在するかどうかというレベ
ルの話などは最早超越していた。いうまでもなく実在し、接触も行われているのですから。
我々が当時追求していたのは、なぜ人類と接触を図ろうとしているのか、一体目的は何なのか、そして
最も重要だったのは、それらの事を今後どのように人々に伝えるか、という事です。
今や90年代に入り、21世紀は目の前に来ています。我々が収集した情報や証拠はグラッジ/ブルーブッ
クレポート文書に纏められていますが、近い将来にはもっとオープンに、そして地球規模でのコンタクト
が行われるだろうと考えています」(『UFOはこうして飛んでいる』)