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イスラエル首相公選は3つどもえに 読売新聞 1/26 19:16
【エルサレム26日=宮明敬】ネタニヤフ・イスラエル首相に解任されたイツハク・
モルデハイ国防相は、正式に離職した二十五日夜、アムノン・シャハク前軍参謀総長、
ダン・メリドール元蔵相らとともに中道新党を旗揚げし、みずから同党の首相候補とし
て五月十七日の選挙に臨む意向を明らかにした。これで、イスラエルの次期首相公選は
事実上、右派リクードのネタニヤフ首相、左派・労働党のエフド・バラク党首、中道新
党のモルデハイ前国防相の三者の争いになることが確定した。
モルデハイ氏はイラク北部出身のクルド系ユダヤ人で、建国以来、欧米出身のユダヤ
人が政治の実権を握ってきたイスラエルで、中東・北アフリカ出身のユダヤ人が「まっ
たく対等の立ち場で首相選に挑むのは初めて」(イディオト紙)だ。中道勢力は当初、
シャハク前参謀総長、メリドール蔵相がいずれも首相候補に名乗りを上げ、分裂の兆し
が出ていたが、新たに加入したモルデハイ氏に二人が譲る形で一本化に成功した。
新党の正式名称はまだ決まっていないが、基本方針として、「対シリア交渉を含め、
理にかなった領土的譲歩により、中東和平を推進する」(モルデハイ氏)としている。
一方、ネタニヤフ首相は中道新党の結成とモルデハイ氏の挑戦について、「一時的な
現象に過ぎず、最終的に、彼らは左派(労働党)に合流することになるだろう」と一蹴
した。与党リクードは二十五日、党員による首相候補選出投票を実施、ネタニヤフ首相
は80%を上回る得票率で、対立候補のモシェ・アレンス元国防相を下し、同党の首相
候補に正式に選出された。
[読売 1月26日] ( 1999-01-26 19:16 )
◎首相選の決選投票必至に イスラエル、中道も 共同通信 1/26 15:48
挑戦
【エルサレム26日共同】中東和平に大きな影響を与える5月1
7日のイスラエル首相公選の顔ぶれが26日までに固まった。再選
を狙う右派リクードのネタニヤフ首相(49)と左派の労働党のバ
ラク党首(56)に、中道勢力からモルデハイ前国防相(54)が
挑むという三つどもえの構図で、6月の決選投票にもつれ込むのは
必至だ。
最近の世論調査では、ネタニヤフ首相とバラク党首がそれぞれ3
0−35%を確保。1948年の建国以来のリクード、労働党の2
大政党支配に終止符を打ち、政界再編がなるかどうかは、20%程
度にとどまっている中道勢力の今後の勢いにかかる。
25日の党員選挙で公認候補への当選を確実にしたネタニヤフ首
相は、強固な結束を誇るリクード支持者を基盤に「リクード以外の
政権はパレスチナ側に譲歩するだけ」と、右派や宗教勢力に政権交
代への危機感をあおる。
一方、バラク党首は、国民的人気を誇るシャハク前参謀総長の取
り込みに失敗したことから危機感を強め、早くから全国行脚を開始。
和平推進とネタニヤフ政権の経済政策失敗を前面に押し出し政権奪
回を目指すが、支持者層が重なる中道勢力に票を奪われるのが弱点
だ。
リクード離党のモルデハイ氏は、幅広い層から支持を集められる
のが強み。既存政党への不満票の吸い上げとリクード穏健派の切り
崩しで、決選投票への進出をもくろむ。
「初の中東・アフリカ系ユダヤ人(セファルディ)の首相」をキ
ャッチフレーズに同地域からの移民層の支持にも期待をかけるが、
新興勢力だけに資金力と組織力に不安が残る。
このほか、リクード創設者の故ベギン元首相の長男のベンヤミン
・ベギン元科学技術相(55)と、国家主義政党ツォメット党首の
エイタン副首相兼農業環境相(70)の2人も出馬を表明した。
(了)
[共同 1月26日] ( 1999-01-26 15:48 )