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「編み物や陶芸など細かな手仕事はボケ予防にいい」「サバやイワシなど青魚を食べるとボケない」――世間で流布している、そんなボケ予防をめぐる“通説”が本当に正しいかどうか、厚生労働省の研究班(主任研究者=朝田隆・筑波大臨床医学系教授)が検証に乗り出した。全国の高齢者1万人を対象に調査相手を抽出し、通説どおりの生活をしてもらうなどして、その効果を調べる初の試みだ。
調査は、筑波大をはじめ福岡大、愛媛大、東京都老人総合研究所、国立精神・神経センターなど国内8つの大学・研究機関が担当。茨城県利根町、東京都世田谷区、京都府網野町、愛媛県中山町に在住の65歳以上の高齢者を対象に、研究班独自の知能レベルを見る統一の評価法や簡単なアンケートを実施。これらの人たちから、「MCI(軽度の知能低下)」と診断された人に焦点を当て、本人や家族に協力を求める。
MCIの高齢者は、米国の研究では約1割が1年以内に痴ほうに進行するとされる。これらの人たちに、「栄養」「睡眠」「運動」「余暇活動」の4点にポイントを絞り、ボケに効果があるとされてきた食事や睡眠、個人に合った有酸素運動やサークル活動などを指導しながら、痴ほうの進行率を数年間、追跡する。
ボケ予防をめぐっては様々な生活習慣が提案されているが、実際の効果については大半が科学的に証明されていない。現象だけをとらえ、科学的な検証がなされないまま独り歩きしているものも多いという。
その一方で、30分間の短い昼寝をとる人は痴ほう症にかかりにくいとの研究結果や、痴ほう症患者は魚や緑黄色野菜の摂取量が少ないとの調査結果が発表されている。また、趣味を持ち続ける人はボケにくいなど、臨床レベルで痴ほうと生活習慣とを関連づける様々な研究が報告されている。
研究班は、調査は各自治体と協力して行い、高齢化に伴って予想される痴ほう症患者の増加を阻止するための「生活法」を確立させたい考えだ。ボケ予防に効果があると見られたものは、積極的に地元の保健活動に生かしていくという。(読売新聞)
[1月23日15時29分更新]