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米国の警告が威嚇に変わったとき、北朝鮮は「行動」に出る!
安善国 元人民軍ミサイル将校の証言
(『「北朝鮮」知識人からの内部告発』辺真一責任編集・訳 三笠書房)
1998年8月31日に打ち上げられたロケット物体について、ミサイルか、人工衛星かで議論が二分されている中、筆者(辺真一)は韓国に飛び、97年5月に亡命した安善国元人民軍ミサイル将校とインタビューを行った。
安善国氏(当時49歳)は、17歳で入隊。二年間の兵役生活後に砲兵大学に入学し、ミサイルの生産、修理を学んでいる。卒業後、最高司令官直属の砲兵司令部に将校として配属されたが、82年に負傷し、除隊。その後は防衛産業工場で党秘書を、第二経済委員会で外貨獲得事業を担当する。97年に家族と共に船で韓国に亡命するまでは、国家科学院平安北道資材供給所外貨獲得指導員だった。
―――日本では、近々テポドンが再び発射されるのではないかと戦々恐々になっている。どう思うか?
私は金正日ではないので、彼が何を考えているのかわからない。しかし、武器というものは、継続して発展させ開発しなければならない。他の国より圧倒的に優勢であってこそ、抑止力を行使することができるからだ。自分の力が弱くては何も言えないし、何もできない。特に北朝鮮は苦しい状況下にある。社会主義経済市場が崩壊したからといって、資本主義経済市場に入るわけにはいかない。政治的、経済的危機に直面しているのは市場がないからだ。だから、信じるものは力しかない。他に手段がないので、武器を保有して、力の拠り所にしようとしている。日本がいくら撃つなと騒いでも、米国が何と言っても、北朝鮮からすれば、武器開発をせざるを得ないのだ。
―――米国は、ミサイル問題では「再発射すれば重大な結果を招く」と警告している。それでも北朝鮮は発射すると思うか?
100パーセント発射すると思う。米国が脅せば脅すほど、発射する可能性は高い。米国が脅しではなく説得で、北朝鮮を理解させる方向に持っていけば、北朝鮮も態度を変えて経済援助を交換条件に合意する可能性もある。だが、威嚇したりすれば無条件発射すると思う。
―――北朝鮮がミサイルを再発射すれば、米国は軍事的対応も検討するかもしれない。そうなれば、戦争に突き進むことにならないか?
北朝鮮が発射すれば、米国は迎撃するか、北朝鮮のミサイル基地を攻撃することも考えられる。そうなれば、戦争になる。戦争になれば、北朝鮮は滅びるだろう。しかし、米国も湾岸戦争のときとは違って、それなりの被害を免れることはできない。イラクやユーゴとも戦争では米本土は被害を受けなかったが、今度は受けることになるだろう。
―――それはどういう意味か? 米本土を攻撃できる大陸間弾道ミサイル(ICBM)や核を持っていなければ、米本土を脅かすことはできないではないか?
詳しいことは言えない。私が断言できるのは、米国は間違いなく、直接的な被害を被るということだ。だから、北朝鮮も簡単には譲歩しないと思う。
―――米国はそのことに気づいていると思うか?
米国が(北朝鮮の攻撃力を)知っているのか、知らないのか、私にはわからない。しかし、私は何も知らないで言っているのではない。私は、米本土が被害を受けるということだけは確信を持って言える。