投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
| ★阿修羅♪ Ψ空耳の丘Ψ１６ ★阿修羅♪ |
「癒し」太田 光（爆笑問題）ＴＶブロスより
今回の流行語大賞は、小泉首相の「聖域なき構造改革」や、「米百俵」などの、いくつかの言葉ということになった。それらの言葉、確かに話題にはなったが、流行語と言われると少し違和感がある。街で「米百俵」などと言っている若者は一人もいなかったが、まあ、そんなもんなのだろう。
私が個人的に最近よく聞く言葉と言うと、「癒し」だ。これはこの何年か、いろんなところで聞くようになった。あまり好きな言葉ではない。何だか気持ち悪い。「癒し、癒し」と強調されると、「そんなに疲れてないよ」と言いたくなる。「癒し系」などと勝手に分類されてるミュージシャンは、さぞかし嫌だろう。「たいしたことない音楽です」と言われてるみたいだ。さんざん苦労して作ったものを「この作品は癒し系の作品です」なんて一言で言われたら、バカにされたような気がするだろう。
いつからこの言葉が流行ったか。気がついた時には大流行していた。「癒し系グッズ」や、映画、本、音楽。テレビの特集などもみな「癒し」だ。「癒し系タレント」なんてのもいる。これほど流行すると言うことは、それほど日本中の人が、癒されたいと欲していると言うことだ。そう思うと気味が悪い。そんなにみんな疲れて、傷付いているのだろうか。
癒されたいと思っていた人びとを次に襲ったのは、「テロリズム」と「狂牛病」と「不況」だった。そして、ますます「癒し」が流行するようになる。自分達は傷ついた。だから癒して欲しい。そう思っている人達ばかりで、傷つけたのはは誰なのかはわからない。そんな状況の中でヒットした映画は、「千と千尋の神隠し」と「ハリーポッターと賢者の石」。純真無垢な少女と、純真無垢な少年の物語だ。欲望だらけの大人達が引き起こした狂牛病と、悪い魔法使いが引き起こしたテロリズム。純真無垢な人達は、この二つの事件で、大いに傷ついたと思っている。自分達は傷ついた。だから自分達には癒しが必要なんだ。
癒しとは、ただ自分の傷を治療するだけの事で、何の解決にもならない。だからこの言葉には、どこか逃げ腰な、弱々しいイメージがある。それで私は、この言葉があまり好きになれないのかもしれない。
殆どの人びとが、自分は傷ついていると感じているという状況は、いびつで、薄気味悪い。もしかしたら、自分は傷つけた側にいるのかもしれない。と感じている人はとても少ない。自分達が傷つけ人びとが、テロリズムを起こし、そのテロリズムによって、癒された人びとがいるのだとしたら。そんなふうに考えたら私達は、いつまでも純真無垢な少年少女の立場に自分をおいてはいられない。癒される前に、解決すべき事があるのかもしれない。癒されるのは、もっと先でいいのではないか。人間の作った世界は、あまりにも複雑で、矛盾に満ちている。癒されるために傷つけて、傷ついた人達は、また癒しを必要とする。そのためにまた傷つける。なんだかワケがわからない。人間はいつまでたっても不完全で、必要なのは、「癒し」よりも、そんな人間でいる事に対する「許し」なのかもしれない。
いずれにしろ、人びとが、癒される事ばかりに夢中になっているうちは、何も変わる事ができないのではないかという気がする。
☆（-_-）．．．これを読んでいたら 頭の中にこの曲が流れ出した．．．
「チェインギャング」
僕の話を聞いてくれ 笑いとばしてもいいから
ブルースにとりつかれたら チェインギャングは歌いだす
仮面をつけて生きるのは 息苦しくてしょうがない
どこでもいつも誰とでも 笑顔でなんかいられない
人をだましたりするのは とってもいけないことです
モノを盗んだりするのは とってもいけないことです
それでも僕はだましたり モノを盗んだりしてきた
世界が歪んでいるのは 僕のしわざかもしれない
過ぎていく時間の中で ピーターパンにもなれずに
一人ぼっちがこわいから ハンパに成長してきた
なんだかとても苦しいよ 一人ぼっちでかまわない
キリストを殺したものは そんな僕の罪のせいだ
生きているっていうことは カッコ悪いかもしれない
死んでしまうということは とってもみじめなものだろ
だから親愛なる人よ そのあいだにほんの少し
人を愛するってことを しっかりとつかまえるんだ
ごまかしはもうたくさんだ くだらない嘘はごめんだ
ごまかしはもうたくさんだ くだらない嘘はごめんだ
作詞・作曲 真島昌利 （ブルーハーツ）
（未発表バージョン）
http://www.educ.cc.keio.ac.jp/~uc06452/tbh/tbh.html
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。