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政府は9日、日米間で捜査共助条約を年内に締結する方針を固めた。テロなどの凶悪な国際犯罪に機動的に対処するため、両国間で刑事事件の捜査に必要な証拠収集や証人尋問を要請する際、外交ルートを通さず、司法当局間で直接、緊密に連携することを可能にするのが狙いだ。日本が国際捜査共助で個別の条約を結ぶのは初めて。
条約交渉は、1999年2月から4回を重ねて最終段階に入っており、今年前半にも合意、署名する見通し。早ければ秋の臨時国会で条約を批准し、捜査共助の窓口を外交ルートに限定している国際捜査共助法と組織的犯罪処罰法の一部改正を行う。
現行の国際捜査共助法は、個別の条約がないため、外国政府からの捜査共助要請は、日本政府が同種の要請を行った場合に応じる保証を取り付けた場合に共助できることを定めている。要請は、いったん外相が受理して法相に送付したうえ、法相が地方検察庁や都道府県警察、海上保安庁などの司法・警察機関に証拠書類の提供や証人尋問などを命令・要請する仕組みだ。集めた証拠書類の送付も、緊急時を除いて外交当局を介して行う。このため、共助要請から実施までに手続き面で時間を要し、迅速な対応に欠けるとの指摘があった。
また、国際的なマネー・ロンダリング(資金洗浄)などに対処する組織的犯罪処罰法も、外国の刑事事件に関連して外国政府から日本国内で犯罪収益の没収・追徴、財産保全の要請があった場合、やはり外相が窓口となっている。
日米捜査共助条約が締結されると、日本の法務省・警察当局と米司法省との間で、書面要請や証拠送付などの直接のやり取りが可能となり、両者が共助要請に最大限努力することが義務付けられる。ただし、政治犯や日米双方の法令で犯罪とならない行為の捜査は対象外とし、「おとり捜査」など日本の刑事法制にない捜査手法での共助は行わない。