★阿修羅♪ Ψ空耳の丘Ψ16 ★阿修羅♪ |
情報技術(IT)革命推進のため、政府主導でインターネットを普及させることを目指した「インターネット博覧会(インパク)」が31日、閉幕する。総務省の新千年紀記念行事推進室は「IT普及の手がかりとなる意義のある事業だった」と成果を強調するが、博覧会の“会場”であるインターネットへのアクセス件数は、目標の年間延べ50億件の1割にも満たない3億件強だった。
インパクは堺屋太一・元経済企画庁長官の発案で開催が決まった。政府のコンピューターをメーン会場に、自治体や企業などの出展者がそれぞれのホームページでパビリオンを展開。前例のない“バーチャル(仮想)博覧会”として昨年末に開幕した。
133の企業・団体や64地方自治体など計503団体が参加、政府も自治体への補助金など総計で約80億円を投入した。「直接的な効果だけで政府支出の数倍にのぼる」(同推進室)とみられ、31日には「集合的なサイトを設けたインパクのモデルは大きな成果があった」とのインパク宣言を採択する。
政府はコピーライターの糸井重里さんらを編集長として招くなど、IT革命の幅広い普及を狙い、特に、今年後半の爆発的な普及を期待。アクセス件数は最終的に週平均1億件、年間計50億件と“そろばん”を弾いていた。しかし、実際の件数は11月末までに3億400件にとどまっている。
背景には「IT文化」に対する官民の理解不足だけでなく、「展示できる内容に制限が多く、自由さが売りのインターネットの良さがかき消されてしまった」(ある出展企業)こともある。もともと「政府が主催すべき行事ではない」(財務省)との指摘もあった。IT普及の基礎を築いたとはいえ、来年以降は、政府主導ではない「インパク活動」として継続する道が模索されている。
【白戸秀和】
[毎日新聞12月29日] ( 2001-12-29-18:35 )