投稿者 dembo 日時 2001 年 12 月 08 日 11:04:55:
メディアはもう信じない。
戦争が始まって、メディアについて考えることが多くなった。
「報復戦争は何かズレている、無理がある、不毛じゃないか」という普通の感覚を
なぜか反映させられなかったメディア。
アメリカサイドの情報ばかり流すテレビ。
情報の片寄りは、メディアの情報空間が先進国によって作られたものだということを教えてくれる。
「何が伝えられているか」より、「何が伝えられていないか、それはなぜか」を考えよう。
アメリカではビンラディンのメッセージビデオの放送を禁じたことで、
彼が明確に「サウジアラビアの米軍の撤退とパレスチナ和平」という
それ自体はきわめてまっとうな要求をしていたことは
米国民には知らされなかった。その提案についてまったく議論もされていない。
「他者の視点を理解しよう」という意欲は放棄され
狂信的なイスラム原理主義というイメージばかりが拡大されていく。
メディアは世論を誘導し意識を操作していく道具になっているのだ。
その欠落を補う情報はネットでいくらでも捜し出せる時代だ。
あの事件の犯人はもう死んでしまっていないのに、
ビンラディンだのアルカイダだのタリバンだのといった言葉がとびかって
いつのまにかアフガニスタンを爆撃すべきだという話になっていった。
さらには(この際だから)イラクや北朝鮮も、という声までもアメリカからは聞こえる始末。
日本は日本でこの機に乗じて自衛隊を海外に出し憲法を骨抜きにしたいという思いでいっぱいの政治家のおっさんたち。
そして、こうしたすべてのことは、水も食糧もなくわけもわからず死んでいく
アフガニスタンの難民の子供の人生とは全く無縁な世界で進行している。
彼らはもちろんテレビを見ていない。
何かを主張する人の「ほんとうの動機」を冷静に見抜く目を持ちたい。
「自分は強くて大したものだ」と思いたい人や、
他人を支配しコントロールしたい人、
よりどころがないと不安だから「大きな流れ」に乗っていたい人、
つきつめて考えると不安になるから考えを停止している人、
他人に嫌われたり「変な人だ」と思われたくない人、
「人間はわかりあえないものだ」と思い込みたい人、
その人は、何につき動かされているのか。
動物園のおサルを観察するように、冷静に観察しよう。
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