投稿者 ごろた石 日時 2001 年 11 月 30 日 22:00:03:
国連安保理、対イラク制裁を見直しへ CNN 2001.11.30
国連本部―国連がイラクに課している経済制裁をめぐり、安全保障理事会は29日、食糧などを購入する目的に限り石油輸出を認める現行の措置を6カ月間延長し、その間に米英両国の提案に基づく制裁内容の変更を進めるとの決議を、全会一致で採択した。制裁の見直しにはロシアが強く反発していたが、今週初め、米国との間で妥協が成立した。
国連はイラクのクウェート侵攻を機に、1990年から経済制裁を課しているが、1996年以降はイラク国民向けの人道物資を購入する場合に限り、石油の輸出を認めてきた。この措置は6カ月ごとに更新する必要があり、今回の期限切れは30日に迫っていた。
今年6月の更新時以来、米英両国は、制裁内容の見直しを主張。民生品の輸入規制を緩和する代わりに、軍事関連物資の輸入や石油密輸などへの締め付けを厳しくする新たな品目リストの作成を提案していた。禁輸措置の有名無実化が進んでいる上、アラブ諸国などから「イラク国民を苦しめるばかり」との批判が高まっているため、制裁の立て直しをはかる狙いからだ。
これに対し、イラクは「制裁を恒久化させるばかりだ」と強く反発。現行の措置のもとでイラクの最大の取引先となり、利益を得ているロシアも、見直しには反対の立場を取った。
しかし、今回、米国が制裁の全面解除を前向きに検討する姿勢を示したことから、ロシアも来年6月までに新リストを承認するとの妥協が成立した。
1999年の安保理決議は、制裁解除の条件として、イラクが大量破壊兵器の査察に応じることを求めている。しかし、制裁解除と査察実施のタイミングについては、米ロ間で意見が食い違い、溝は埋まっていない。今回の妥協は、「アフガニスタンの情勢を考えると、この問題で争っている時ではない」(グリーンストック英大使)との思惑から、米ロがとりあえず歩み寄った結果と言える。