投稿者 yomiuri 日時 2001 年 10 月 28 日 13:47:16:
自治労、裏金で闇社会と癒着
全日本自治団体労働組合(自治労)が右翼団体対策名目で裏口座から7000万円
を支出した問題で、うち1000万円が右翼団体幹部に渡っていたことが27日、関
係者の証言で分かった。残り6000万円は、自治労関連会社の前専務から依頼を受
けた経営コンサルタントや複数の暴力団に右翼対策工作費として渡っていたことも新
たに判明。
国内最大労組が、裏金を使って闇(やみ)社会と癒着していた構図が浮き彫りにな
った。組織内外からの批判は一層強まりそうだ。
東京地検特捜部は、自治労や関連会社の裏金作りの解明を進めており、既に右翼団
体幹部らから参考人として事情聴取している。
この問題は、都内に本部を置く右翼団体が1998年8月、自治労大阪府職員労働
組合の元副委員長による詐欺事件をめぐり、「ほかにも事件に関与した幹部がいる」
などと自治労を追及したのが発端だった。
自治労は、組織としては右翼団体に毅然(きぜん)として対応する方針を決めた
が、関係者によると、自治労関連会社「ユー・ビー・シー」(UBC)の前専務長谷
川陽光容疑者(59)(業務上横領容疑で逮捕)ら一部幹部は、右翼団体に現金を渡
して追及をやめさせることで合意したという。長谷川容疑者は同年9月上旬ごろ、ま
ず暴力団関係者に右翼団体側への働きかけを依頼した。
しかし、この工作は効果がなく、右翼団体の追及がやまなかったため、長谷川容疑
者は改めて、暴力団に人脈のある経営コンサルタント中吉俊司容疑者(56)(同)
に対策を依頼。UBC口座から2回に分けて計5000万円を引き出して中吉容疑者
に託した。
中吉容疑者は、長谷川容疑者が最初に頼んだ暴力団とは別の知り合いの暴力団組長
に右翼団体幹部への働きかけを頼み、組長が幹部に面会して現金1000万円を直接
手渡したという。これと前後して、幹部が自治労の謝罪と詐欺事件の責任追及を約束
する文書を要求したため、中吉容疑者が自治労事業本部名義の「声明文」を幹部に手
渡したところ、追及は収まった。
UBCが支出した5000万円のうち4000万円について、複数の関係者は「中
吉容疑者が2500万円、組長が1500万円をそれぞれ仲介料として受け取った」
と証言している。
9月後半になって、自治労本部の裏口座「自治労200万」から3回に分けて計7
000万円が引き出されていたことがすでに判明している。このうち5000万円は
UBCに補てんされ、残り2000万円は長谷川容疑者が、最初に依頼した暴力団関
係者への謝礼などに充てていたという。
自治労は当初、この7000万円は組織対策費の名目で支出したとしていた。25
日の記者会見でも、一部幹部が右翼団体対策に何らかの対応もやむなしと考えて長谷
川容疑者に渡したことを認めたが、「その先の金の流れは不明」と説明していた。
(10月28日03:01)