投稿者 付箋 日時 2001 年 11 月 25 日 04:26:22:
テロ・狂牛病、師走の足音異変 [日本経済新聞夕刊] 2001/11/24
師走の足音が近づく3連休の谷間の24日、都心のデパートなどには、お歳暮やお節料理を品定めする買い物客がどっと繰り出した。景気は冷え込む一方だが、米同時テロの余波か、「正月は海外より自宅で」というムードが高まっており、有名料亭が手がけた高額のお節の売れ行きが伸びているという。お歳暮の注文も好調だが、狂牛病問題で牛肉の商品を控え、ブランド豚を目玉に売り出す店もあるなど、例年とは違った商戦になっている。
「値段の高いものから売れている」。お節料理商戦の変化に百貨店側は驚きを隠せない様子だ。
関東の店を中心に例年より二週間早く、今月1日から注文を受け付けている三越によると、売り上げは前年比70%増。“料亭ブランド”の「美濃吉」「なだ万」といった3万円台の高級お節を中心に人気を集めている。15日から予約を始めた東京・渋谷の東急百貨店本店の出足も好調で、売り上げはすでに前年の2.7倍という。
「5万円を超す商品が売れ筋」(大丸心斎橋店)、「3万―5万円のものと、1万円の商品をセットで予約するケースが目立つ」(高島屋東京店)。スーパーでも、ダイエーが前年比3倍増の予約が殺到、イトーヨーカ堂も前年より二ケタ増の売り上げを見込んでおり、かなりの繁盛ぶりだ。
この日、日本橋の高島屋東京店のお節売り場を訪れた東京都江東区の会社員、早川友之さん(57)は「夫婦で米国に行こうと思っていたが、テロが起こったのでやめた。正月は娘夫婦を呼んでみんなで過ごします」という。
お歳暮商戦も順調な滑り出しで、三越銀座店では「特定商品の無料配達地域を全国に広げたことなどもあり、昨年に比べ3割以上伸びている」と話す。ただ、狂牛病問題の余波で牛肉関連のギフトの人気が低下しており、「自分は気に留めていないが、もらう方がどう思っているのか分からないので」と、高級牛肉をやめて、缶ビールや洋菓子の詰め合わせなどを予約する人の姿も。
21日から急きょ、ブランド豚肉「東京X豚」と塩ザケやカズノコなどの海産物を組み合わせた商品を10種類追加するなど、店側も対応を余儀なくされている。