投稿者 釜井@オリジナル 日時 2001 年 11 月 10 日 13:12:43:
回答先: 「世田谷一家殺人事件」と「切り裂きジャック」の類似性 投稿者 釜井@オリジナル 日時 2001 年 11 月 08 日 22:37:59:
「儀式殺人における残酷の四段階」
フリーメーソンの儀式殺人を描いた銅版画『残酷の四段階』についての解説は、
「世田谷一家殺人事件」における死体損壊の状況を考える上で参考になるのでは
ないか。このウィリアム・ホガースの銅版画の画像と、解説を転載する。
----------------------------------------------------------------------------
メアリー・ジェイン・ケリーの殺害(切り裂きジャックの被害者)と、
ウィリアム・ホガースの銅版画に描かれたメーソンの儀式殺人は著しく似通っている。
ホガースは一七三一年にフリーメーソンとなっている。
ホガースの『残酷の四段階』は表面上はトムの残虐行為の数々とその報いを描いた
作品であるが、実はフリーメーソンの儀式殺人の段階的発展を暗示したものである。
『残酷の四段階』第四段階では、トムは残虐行為の総決算の日を迎える。
当時、みせしめのため、死刑囚の身体は外科医の解剖用に供せられることが法的に許され
ていた。トムが解剖されている講義室は、王立医学専門学校である。
目をナイフでえぐらるのは、馬の目をくり抜いた報い、心臓を犬に貪り喰われるのは、
犬を虐待した報いであるというわげだ。
以上は表向きの話で、本当はフリーメーソンの儀式殺人の段階的発展を描いたものである。
人はいきなり人間を生きたまま解体する悪魔主義者になれるわげではない。
何事にも段階というものがある。まずは犬、猫から始めよ、そして慣れたら馬、牛、羊へと
発展していく。
遂に人を刺し殺せるようになったら、真の悪魔主義者まではもう一歩である。
ホガースの『残酷の四段階』シリーズの最終段階である『残酷の報い』は表面上は外科医
の解剖の風刺画であるが、実際は進行中のメーソンの儀式殺人を表していて、ケリーの
切り裂きと薄気味悪い類似性を有している。ホガースはメーソンであり、メーソンの秘密
を暴露した最初の一人であった。彼の銅版画の多くにはメーソン的象徴が描かれているが、
この特別な作品は最もあからさまなものであった。ホガースはこの作品の中で、ロープと
滑車で支えられたネジを頭に打ち込まれて、解剖台の上に儀式ばって横たえられている
犠牲者を描写することによって、メーソンの儀式殺人との類似点を示している。
このネジあるいはドリルはルイスと呼ばれていて、メーソンの粗い切り石と完成された
切り石を支えるルイスと対応している。
さて、ケリーの傷痕とホガースの描いた犠牲者の運命とを比較してみよう。
■この哀れな女性は丸裸で仰向けに横たわり……
ホガースの犠牲者も丸裸で仰向けに横たわっている。
■彼女の喉は耳から耳へと、脊椎骨に達するまで切り裂かれており……
ホガースの儀牲者はメーソンの〃太綱〃を首の周りにかげているが、
それは明らかに喉の切断を表すメーソンの儀式に対応している。
■彼女の両耳と鼻は切り取られ、一方顔面はその痕跡がなくなるまで切り裂かれていた……
ホガースの犠牲者は顔を切られている最中である。絵の中の三人のメーソン殺人者の内
の一人は、外科用メスで目をえぐり取っている所であるが、それはまたエドウズの遺体の
両まぶたに切り傷があったことに対応している。
■胃と腹部は切り開かれ……
これはホガースの絵の中で進行している出来事である。
■子官を含めた遺体の下腹部は切り裂かれ……
銅版画からは臓器がなくなっているかどうかの詳細は定かではないが
(勿論、男に子宮はない)、人体の下腹部は明らかに切り裂かれている。
ケリーの心臓はえぐり取られたが、ホガースの犠牲者も同じ扱いを受げている。
----------------------------------------------------------------------------
「悪魔の生贄殺人」 著 有賀裕士 第一企画出版