ハンコックとケイシー・リーディング

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投稿者 SP' 日時 2001 年 11 月 03 日 20:34:14:

回答先: スフィンクスの謎はアトランティスへ続く 投稿者 SP' 日時 2001 年 11 月 03 日 20:31:22:

『ボーダーランド』97年3月号「E.ケイシー“遠隔透視調査”の驚くべき発掘成果」より抜粋。


●──文/風祭 音弥


大ピラミッドを建設したのはアトランティス人だったのか?

 サイキックが考古学に何らかの影響をおよぼしているとして、ここに見逃すことのできない人物がいる。アメリカの「今世紀最大の予言者」としてつとに知られるエドガー・ケイシーだ。ケイシーは「眠れる予言者」とも言われたように、自らをトランス状態にして透視や予言を行い、難病患者を診断して病気の克服方法を教えたり、人類の過去や未来をリーディングした。驚くべきことに、その中には人類の創世、失われた文明やピラミッドの建造に関わる情報まで含まれているのだ。
 現在グラハム・ハンコックの著書が世界的にも注目を集めているが、彼の説くエジプト創世ミステリーの論述は、このケイシーのリーディング内容に驚くほど似かよっている。
 ハンコックは『神々の指紋』のメッセージで「本書は人類の遥か昔の先史時代に隠された謎を解こうとしている。その謎とは1万2000年の昔に想像を超える地殻の変動が起こり、ほぼ完全に壊滅させられた高度に発達した世界規模の文明のことだ」と堂々と述べている。が、それはいったい何であるのかはいっさい記していない。ところがケイシーのリーディングを読むと、それが推測できるのだ。
 ケイシーがリーディングを行ったのは、1900〜45年の約半世紀の間にかけてだ。もちろん、ハンコックが古代史の謎を調べ始めるより、ずっと以前のことになる。
 ケイシーは、今から1万2000年以上も前に存在し、とつじょ起こった天変地異によって海中に没したと伝えられる、伝説のアトランティス文明について詳細な情報を残している。そしてこの文明が、古代エジプトの先史文明に、どのように介入していったかを克明に記しているのだ。
『創世の守護神』の第5章でハンコックはケイシーに触れ「情報源や価値についての見解はここでは述べない。だが、われわれの調査に関係あると思われることもある」とサラリと受け流している。しかし、真意はどうなのだろう。
 リーディングはエジプトで起きた過去の出来事を次のように語っている。
「紀元前1万500年。20万年におよぶ繁栄を誇ったアトランティスが、権力の誤用と自然破壊により破滅の最後の時を迎えていた。当時すでにエジプトと交渉を持ち、自分たちの大陸が沈没することを予期していたアトランティス人は、自分たちの記録の複製をエジプトに保管することを決定したのだ」

ハンコックの論述内容はまさにケイシーの予言通り!

「またちょうど同じ頃、エジプトでもラータと呼ばれる神官(後にラーと称せられる)が、当時の人々だけではなく、後の時代に生きる人々にも重要な意味を持つ“叡智の象徴”の建造を考えていたこともあって、大ピラミッドが計画された。それは100年をかけて施工され、時にして紀元前1万490年〜1万390年のことだった。
 建築にはアトランティスの人々が協力し、石材は空中を浮揚して輸送された。この際、ピラミッドの位置そのものが天文学との知識を表すよう、できる限りの正確さで行われた。また、ピラミッドの内部構造は、未来の予言を表すように設計された(27P、図参照)。並行してスフィンクスも建造された。これは当時、あらかじめあった遺跡の上に造られている。ギザのピラミッドはこのスフィンクスを基準に、幾何学的配置によって建設されている。
 アトランティスの記録も保管された。そのひとつが、ギザのスフィンクスの地下である。場所は、太陽が水平線から上昇し、その光線がスフィンクスの両足の間に落ちるところにある。ただし、時代が満ちるまでは、記録の保管場所に入ることはできないだろう」
 このリーディングの“アトランティス”を“失われた高度文明”に置き換えて読むと、ハンコックの著書との類似性が見えてはこないだろうか。
 ハンコックは『神々の指紋』第50章で、以下のように問題提起している。
「学者たちがアトランティスを真剣に扱わなかったのは、それが大西洋に見つからなかったからだ。しかし、私の集めている証拠は明らかに失われた文明の指紋を示している。それならば、その文明はどこに存在していたのか?」
 さらに同章で、カナダのアトランティス研究者、ランド・フレマスが執筆した『空が落ちた時』を読み、その最初の数段落にジグソー・パズルの足りない一片を見いだしたと述べている。つまり、ハンコックは明らかに失われた文明をアトランティスと見なしているフシがある。
 さらに第52章ではケイシーの予言「2000年頃に極が移動する。北極と南極で大変動があり、熱帯で火山が噴火する……」のくだりを引用し、地球規模の破滅が起こることを暗示している。こうなるとハンコックがケイシーの予言やアトランティス情報に抵抗を持っていたとは思えない。

人類の隠された叡智がスフィンクスの足元に眠る

 また、彼のもうひとつのフィールドワークの中心であるユカタン半島は、ケイシーの指摘によれば、エジプト以外にアトランティスの記録が保存された場所のひとつでもある。こうなると失われた文明を追い求めるハンコックが、近代におけるアトランティスの大御所、ケイシーによる影響を受けていたと考える方が自然だ。
 もちろん、ケイシーの情報には科学的証拠がない。その情報には学問的価値はなく、大半の正統派学者たちは忌み嫌うか無視しているというのが現状だ。そのため、ハンコックがアカデミズムの猛反発を考え、情報の出所を明示することをはばかったとしても、不思議ではない。
 ケイシーのもたらした膨大な情報は丁寧に整理され、現在はエドガー・ケイシー財団(ECF)とその付属機関であるリサーチ&エンライトメント協会(ARE)によって管理されている。
 ケイシー財団は、ケイシーのリーディングを科学的に実証しようと、20年以上も前からエジプトの地で実地調査に着手している。中でも米国の有名なシンクタンクであるスタンフォード研究所(SRI)が、財団の資金援助を受けて行った調査は軽視できない。ここでは強力な音波発生装置が使用され、スフィンクスの土台の床に設置された聴集装置によって音波を受信することで、スフィンクス地下の探査が実施された。その結果、3箇所でシグナルの異状が確認されている。地下に、空洞もしくは開口部があるかのような反応が出たのだ。
 しかしどういうわけか、現在スフィンクス周辺の追跡調査はエジプト政府が許可を与えておらず、途絶えている状態だ。例外として1990年代初頭にドベキ博士により人工的な地震を利用した地下探査が行われ、スフィンクスの前足の地下に大きな長方形の部屋が発見された。が、これもエジプト考古庁ザヒ・ハワス博士の介入によって中止に追い込まれている。まるで「スフィンクスの下に何かあっては困る」といわんばかりの処遇だ。
 ケイシーの息子、エヴァンス・ケイシーは、次のように語っている。
「多くの考古学者はリーディングに対して否定的ですね。話題にしたくもないようです。でもボーヴァルによって大ピラミッドの建造時期が、紀元前1万500年頃に関係があると考えられ始めたように、ケイシーの予言が証明されつつあります」
 ケイシー財団併設のアトランティック大学心理学教授、ダグラス・G・リチャード博士は、ケイシーのリーディングに基づいて研究を進める、数少ない学者の1人だ。
「ケイシーはピラミッドやスフィンクスの隠された部屋について、それが発見される詳しい日時や時間については言っていないのです。ところが多くの人は、あたかもケイシーがそれらを予言しているかのように考えています」
 あるいは、このような行き違いの数々が、サイキックによる考古学調査に誤解を招く原因となっているのかもしれない。
 ハンコックがケイシーによる情報をどれだけ信用しているのかは、現状では本人の口から語られることはないだろう。しかし、ハンコックが遠慮がちにではあるが、読者に訴えたかった“前文明”の存在。それが“アトランティス文明”の存在を示唆するものだったとしたら……。
 実際、ケイシーが予言した情報が、おぼろげながらも現実味をおびてきている今、予言どおり「時が満ちたとき」真実は明らかにされるのだろうか。すべての謎が解かれる日、それは意外に近いのかもしれない!

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