投稿者 Foulier 日時 2001 年 10 月 08 日 02:07:07:
回答先: [歴史の証言]『肥大したジャーナリズム背後にいる電通の威力』 投稿者 付箋 日時 2001 年 10 月 08 日 00:11:24:
東京都議選や参院選に向けた各党のCM戦略は党のトップを前面に出すことで足並みをそろえた。CMの競演は契約する広告代理店の戦いでもあり、日を追うごとに熱を帯びている。
「そうはいかんざき!」。わいろのやり取りをする悪代官風の2人。時代劇の場面に、公明党の神崎武法代表が登場、こう叫ぶ。
アド電通東京が担当した。同党は「政党CMの常識を破った」と胸を張るが、当の神崎代表は「他も党首が登場しているから」と実直と言われる人柄そのままのコメントをした。
共産党のCMは読売広告社が請け負った。志位和夫委員長がベルトを締め、「身の引き締まる思いでいっぱいです」と訴える。「うっ」といううめき声がリアルだ。選挙向けCMは95年の参院選以来だが、委員長が登場するのは初めて。会見で「政治のワイドショー化が言われる中、抵抗感はないか」と問われた志位委員長は「映像社会だからイメージで党を訴えることも必要だろう」と答えた。
昨年の総選挙で小沢一郎党首が殴られる場面が「好評」だった自由党は、小沢党首が「旧体制」ロボットに立ち向かうCMを制作した。電通EYEの担当。今回もハイテク映像で臨む。
総選挙のCMで土井たか子党首が駄菓子屋の「おばさん」にふんし、「絶対に変えさせないよ」と憲法9条の順守一点に絞った社民党。今回はまだ制作発表していないが「党首を前面に出した内容」(宣伝部)は同じという。
「X JAPAN」の曲をバックに「永田町の変人は世の中では普通の人間だ」と小泉純一郎首相が大写しとなる自民党のCM。「ばん、ばん、ばんと気持ちが乗って、いいだろう」と小泉首相はCMの出来にご満悦だった。同党のCMは電通が担当することが多かったが「公表しないことにしている」。
民主党は博報堂などと契約、今年3月に鳩山由紀夫代表が登場した公共事業編など2本を放映したほか、小泉内閣の発足に合わせて新バージョンを放映、テレビ戦略に力を入れている。今月10日からも新しいCMを流す予定だ。
保守党は「CMは制作するが、党首起用も含め内容はまだ公表できない」としている。【宮澤勲、井崎憲】
コラムニスト・天野祐吉さんの話 党首の顔が見えるのはいいこと。政策が対立していた55年体制時と比べ、今の政党の違いは分かりづらく、テレビ時代の選択だと思う。こっけいなシーンを交えたCMの工夫は認めるが、ユーモアセンスが悪ければ惨たんたる結果にもなる。目新しいのは首相が「変人」と自称する自民の「自己批評」CM。自己主張だけのものより新しく、説得力がある。ただ、受けているのは「自民党を壊す」という言外のメッセージで、党にはもろ刃の部分であり、選挙結果にどうつながるか未知数だ。
(毎日新聞6月6日朝刊)