投稿者 JEAN-LUC 日時 2001 年 7 月 29 日 22:07:48:
この核の時代に日本にはもはや戦争遂行能力はない。極端な話、国内に存在する原発をミサイル攻撃されたら、日本は白旗を揚げざるえないのが現状だろう。靖国参拝、教科書問題で、持論を押し通し、日本のアジア外交上の立場を危うくする小泉首相の行動は、今後の日本の将来に重大な影響を及ぼす可能性がある。首相とも思えない軽挙な行動であり、この辺が彼の思考の限界なのかもしれない。小泉首相と、それを支持する人たちを見てると、戦後50年たっても、日本人のメンタリティは変わっていないなと思う。それは戦略思考の欠如である。外交とは相手あっての外交であり、また死者のためにあるのではなく、今生きている生者と、これから生まれてくる子孫の為に行うものである。ただ単に持論を押し通すだけなら、誰にでもできる外交といっても過言ではないだろう。もっともらしく言うのでそれらしく聞こえるが、言っていることは別にたいしたことではない。一億人以上の国民に対して責任を負っている人間が、周辺諸国の反応を無視して、外交云々いうのだから恐れ入る。刹那的な感情の満足の為に国民全体を巻き込む危険性を、いったいどれくらいの人間がわかっているのだろうか。仮に、中国が台湾を併合し、東シナ海を封鎖したら、日本はいったいどうするのか?小泉首相は対処できるのだろうか?たったこれだけで日本はたちまち干上がるのが現実なのではないか?中国にしてみれば、日本を屈服させることなど造作もないことなのではあるまいか。荒唐無稽な歴史シュミレーション小説が氾濫しているせいでもあるまいが、実体以上に日本を過信して、安易な思考をする輩が多い。太平洋戦争にしても、勝敗
云々より、彼我の実力差もわきまえず、国益を無視して戦争を仕掛けたことに問題があり、そういう意味での議論がもっと行われてもいいはずなのに、結局のところ、議論の行き着く先は、あの戦争はやむを得ない自衛戦争だったという、過去の正当化だ。極めて日本的な、いや、ある種武士道的な、信念に死ぬことに美学
を感じるメンタリティーの結果だろうか。しかし、それにつき合わされる方はたまらないだろう。外交における国益を考えない小泉首相は、おそらく構造改革の途上で失脚するだろうが、日本の外交は、あと50年は耐えるべきであり、今後、日本の政治家で、国家の100年の計を考えることができる人の登場を期待するばかりである。