投稿者 付箋 日時 2001 年 9 月 30 日 08:58:03:
回答先: Re: ブッシュ親子が主犯でしょ? 投稿者 付箋 日時 2001 年 9 月 30 日 08:21:09:
「アメリカの巨大軍需産業」広瀬隆著から
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全体に起こった最大の変化は、同じスケールで描いた図3と図4の違いで一目瞭然、ロツキード・マーティンとボーイングの二社に、合わせて二三二億ドルという大きな国防予算が集中するようになったことである。二五社合わせたペンタゴンからの受注総額は、六四〇億ドルから五四八億ドルヘと一四パーセントも減少しながら、二社の合計額は、かつてのトップ三社の獲得額より大きい。一位と二位にあったマクドネル・ダグラスとゼネラル・ダイナミックス主力部門が、下位のボーイングとロッキードに吸収されたのだから、当然である。その結果、この二杜が一〇〇社の受注総額のちょうど三分の一を占めるまでに独占が進行した。司法省と証券取引委員会がよくこの独占を承認したものだ。上位一〇社の合計は、上位一〇〇社総額の六割を超え、残り四割を九〇社で分け合うという大小の差別化が明瞭になった。かつてのトップ二五社が、本物の軍事生産会社としてわずか四社に統合されてしまったのである。
(中略)
ペンタゴン利権産業が、「軍需産業」と「平和産業」に大きく二分される一〇年間であった。
民間の平和産業にとってはまことに好ましいことだ。だが、そこから独立した軍需産業グループが、独占的膨張を続ける状況には、相当な注意が必要になる。
トップに立ったロッキード・マーティン
世紀末の二〇〇〇年に「世界最大の軍需産業」として名を刻み、二一世紀から新たな活動に入ったロッキード・マーティンとは、どのような会社か。
経済誌"フォーチュン"のランキングでは、二〇〇〇年の全産業トップ五〇〇社の五二位にすぎないが、九八年末に従業員一六万五〇〇〇人を抱え、兵器の生産に従事している姿は尋常ではない。九九年の売上げは二五〇億ドル(二兆七五〇〇億円)を超え、その半分以上は政府だったが、売上げの二二パーセントつまり六〇〇〇億円以上の兵器類が、同社から国外の紛争地や緊迫した地域に輸出されたのである。ロッキード・マーティンと呼ばれる新会社には、兵器とその制御マシーンが山のようにある。
ロッキード単独時代の六〇年、ソ連領空を侵犯して撃墜されたスパイ偵察用U2型機が、米ソ首脳会談を中止させ、キュiーバ・ミサイル危機の導火線となった事件は、ロッキードの社史に誇らしく記録されている。CIA長官アレン・ダレスの要請によって製作されたU2型機は、スパイ用偵察機の主力がSR71ブラックバードに変っても、いまだ健在である。さらに、超音速戦闘機F104やポラリス・ミサイル、宇宙ロケットで強力な兵器開発を認められ、原子力潜水艦用ミサイルシステム・トライデントU、対潜哨戒機P3C、ステルス戦闘機F117A・大型軍事用輸送機ハーキュリーズC130、空中電子戦システムなどを、ずらりと戦列に並べてきた。
そこに、合併と吸収によってマーティン・マリエッタの暗視システム・ランターン、パトリオット・ミサイル、ヘルファイヤ・ミサイル、カッパーヘッド・ミサイル、ゼネラル・ダイナミックスの米軍主力戦闘機F16ファルコン、F22ステルス戦闘機、原子力潜水艦トライデント、M1型戦車、トマホーク・ミサイル、スティンガー・ミサイル、スパロー・サイル、ゼネラル・エレクトリックのミサイル防衛用衛星・レーダー・探知システム、ユニシスの防衛用エレクトロニクス技術とコンピューター・システム、ローラルの防衛エレクトロニクス技術などが大量に加わったわけである。宇宙ロケットのタイタンとアトラスもあれば、国際的に問題となっているアメリカのミサイル防衛構想に使われるミルスター衛星もある。
この新会社が二〇世紀末から開発に最も力を入れてきたのは、統合攻撃戦闘機(JSF)Joint Strike Fighterと呼ばれる未来の戦闘機連隊である。契約を獲得すれば将来の総売上げ二〇〇〇億ドルという法外なマーケットが見込まれたからである。二二兆円の戦闘機連隊とは、どのようなものか想像もつかない。強大な軍隊国家アメリカが、いずれ宇宙人とでも戦おうというのか、誰とも分らぬ敵を想定して高性能の飛行部隊を着々とつくりあげてきた。
ロッキード・マーティンでの戦闘機大部隊JSFの開発は、ブッシュJr大統領の地元テキサス州フォートワースにある元ゼネラル・ダイナミックスの戦闘機工場で進められ、それをボーイングやノースロップ・グラマンが追って激しい先陣争いを続けてきた。アメリカの空軍に納めるだけでなく、海軍と海兵隊のほか、イギリスの空軍と海軍にも納入され、さらに戦闘機F16,FA18,AV8Bを保有する国であれば、それに代る機種としてどこにでも売り込もうという計画である。
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ところで、
>車両
というのは具体的には?