投稿者 付箋 日時 2001 年 9 月 24 日 05:08:43:
新聞・テレビなどの「無情報」 2001・8・30
今度の国会に提出される「個人情報保護法案」は前にも書いたように、実質的には言論統制法ともなりえる。しかし、未だ一般市民たちのなかにはそのことを知らない人たちが多い。これでは、国会を通過しても不思議ではない。
何故知らないかといえば、それは新聞・テレビなどのメディアがほとんどその危険性については報じていないからである。
この法案の大網の素案の時点では、新聞やテレビなども義務規定においても適用除外になってはいなかった。それで彼らはジャーナリズムにとって危険だというような声明を出したり、ロビー活動などを行い、昨年12月に提出された大網では念願がかない義務規定の適用除外の身分となった。その後も、基本原則のほうも「適用除外」にすべきだとの声明を出していたが、今年3月に閣議決定された「個人情報保護法案」の提出以後は、ぱったり彼らは沈黙している。
例外をあげれば、毎日新聞の一記者が、最初から今日に至るまで一貫してその関連記事を書いている。しかし如何せん、記事になるものがそもそもあまり出てこない。
あと、朝日が、前国会でこの法案が「継続審議扱い」になった直後から、何故か危険性を指摘する新聞記事や、また「週刊朝日」の記事などを掲載し始めたが、今ではまたぷっつりと沈黙している。
各テレビ局も、これまで一回くらい少し報道したか、あるいは全くやっていないか、の状態である。
ともあれ、この法案が「言論統制法」となりえるものであり、主にインターネット上などの情報をターゲットとするもの(つまり、所有しているパソコンそのものが取り締まりの対象にもなる)、その対象者は、普通の市民にまで及ぶものであることなど、本質的な検証などは僅かの例外を除いて無いに等しい。
現在、フリージャーナリストなど、権力の策略には鋭敏な人々が先頭になって反対運動を展開している。しかし、状況は最初に書いた通りである。
新聞・テレビなどのメディアは、インターネットに間違いなく「商売敵」という脅威を感じている。そして、この「個人情報保護法」は、そのインターネットの商売敵や、ひろく「ライター」と言われる人々(今年の6月に『出版』と『フリージャーナリスト』も「適用除外」との政府解釈が出されているが、様々な問題をかかえているのだ)をこれから取り締まってくれる、或は「萎縮」させてくれるまたとない保護装置となってくれるのだ。これらが彼らが沈黙する大きな要素であることは否定できそうにない。
しかしそんな彼らだからこそ、権力側は彼らを早々と「適用除外」にしたのでもあるだろう。
「無情報」といえば、こんな「無情報」もある。
「アメリカの経済支配者たち」広瀬 隆より
http://www6.plala.or.jp/X-MATRIX/hirose.html
参考資料。
個人情報保護法の基本的な認識資料
http://www6.plala.or.jp/X-MATRIX/hogohou/matui.html