投稿者 付箋 日時 2001 年 9 月 23 日 07:56:10:
回答先: アフガン 投稿者 付箋 日時 2001 年 9 月 22 日 20:57:01:
[週刊ポスト]2001・10・5
《世界テロ戦争》
米軍需産業の正体
●広瀬隆(作家)
アメリカという国が、自国内の強大な軍需産業によってどれほど左右されているかということを、米国民は知らない。例えぱ、ミサイル防衛構想というのは軍需産業による失業対策であり、本来の目的には、何ら機能していない、失敗しているプロジェクトである。また、今回のテロにもつながることだが、紛争が起きている地域で使われている兵器の最大の輸出国はアメリカだ。それらの兵器が回り回ってきて、自国民をこのように危険にさらしているということも、アメリカでは認識されていない。
国連で、きちんと通常兵器の規制問題を議論すべきである。軍需産業の本音は、紛争がなければ兵器が売れないということだ。紛争が起きれば、自国の軍隊を送り、それで恨みを買って、テロの標的とされる……そもそも、このような状況を作りだしているのが、アメリカ自身であるということを、気づいてもいい頃であると思うが。
《ポスト・ドットコム》
日本政府はアメリカの報複に手を貸すというが、これは正当な判断だろうか。
私は今年3月にアフガニスタンを訪れた。首都カブールには、戦争と内紛で破壊された家やビルがそのまま無残に残っている。かつてアメリカは、旧ソ連の中央アジア侵攻を恐れて、同国のイスラム組織とビンラディン氏ら”助っ人”に資金援助して戦わせたが、戦争が終わると、”もう用はない”といわんばかりに関係を断った。国土は荒れ、国民は難民となって国外に逃げ出し、現金収入を得るために、果樹園のあった場所にはアヘンが植えられた。それでも市民は満足に食料品も買えないが、その大きな原因は国連が経済制裁を続けているからだ。今回のテロは絶対に許せないが、私はアメリカを恨むアフガンの人々に同情する。私はカブールのホテルで、アメリカの武器商人がタリバンと商談しているところを目撃した。この矛盾に気がつかないのか。21世紀を戦火のない時代にするためには、日本はもとより、冷静な”大人の国”がもっとなければいけない。力でアフガンを制圧したら、その代償は計り知れないほど大きくなるだろう。(歴史研究家・女性)