投稿者 YM 日時 2001 年 9 月 17 日 23:44:21:
総力特集 米同時多発テロ緊急分析
ラディンの陰にひそむ真の首謀者はこいつだ!
「戦争」を予言したジャーナリスト・河合洋一郎の超緊急連載・第一回
今回のテロはアメリカのマスコミでは日本のパール・ハーバー攻撃と対比されて
いるが、そこには大きな違いがある。敵が誰なのかはっきりしていないという点
だ。
すでに事件発生直後から、あの世界最悪のテロリストとしてアメリカが指名手配
しているウサマ・ビン・ラディンの名が首謀者として挙がっている。
アメリカは、去年、イエメンのアデンで発生した米駆逐艦爆破テロ事件、98年の
タンザニア米大使館爆破テロ事件、また95年にサウジアラビアで起きた爆弾テロ
事件でビン・ラディンを首謀者とみており、その過去の実績、また、彼自身が98
年に「アメリカの民間人を殺せ」というファトワ(イスラム教の宗教裁定)を出
していることからも一番に疑われるのは当然だろう。
(中略)
こう見るとビン・ラディンが今回のテロ事件になんらかの形で関与していたの
は、ほぼ間違いないと思われる。が、彼が首謀者だったかどうかとなると話は別
である。
ビン・ラディンという男について語る際、まず覚えておかねばならないのは、彼
の「世界最悪のテロリスト」というイメージは多分にアメリカによって作り上げ
られたものであるということだ。80年代にサウジ情報部の代表として.アフガ
ニスタンヘ行き、米CIAのムシャヘディン支援作戦に協力していた前歴を持つ
彼が、イスラム原理主義者のテロ指導者として登場したのは93年の世界貿易セ
ンタービル爆破テロ事件の後から。だが、その登場の仕方はどこからともなく突
如として現れてきたといった印象が強かった。
以後、イスラム過激派によるアメリカを標的としたテロが起きるたびに、証拠が
あろうがなかろうが彼の犯行とされ、イスラム原理主義勢力のトレードマークの
ような存在となっていく。その意図は明白である。アメリカはイスラム原理主義
という一般人には理解しにくい敵対勢力にビン・ラディンという顔を持たせよう
としたのだ。
が、このイメージはビン・ラディンの実像とはかけ離れている。確かに彼自身、
バリバリのイスラム原理主義者だし、3億ドルといわれる個人資産を原理主義グ
ループの支援に惜しみなく注ぎ込んできた。
しかし、ビン・ラディンが結成したアル・カイダという原理主義組織を見ると、
エジプト、スーダン、アルジェリアその他の国に存在する原理主義グループの
ルースな連合体でしかなく、彼を頂点とした鉄壁のテロ組織などと呼べる代物で
はないのだ。
また、いまでこそアメリカの宣伝によってイスラム原理主義者の間で英雄視され
ているため、彼の言葉に人々は耳を傾けるが、実は彼はイスラム教徒に宗教的な
命令を下す権威を持つイスラム聖職者ではない。
実際、彼はイスラム原理主義勢力のトップなどではなく、活動資金の提供、ま
た、各組織間の調整といったサポート的な役割しか果たしていないと分析する専
門家は多い。
今回の同時テロ事件は、すでに多くの対テロ・エキスパートが指摘しているよう
に、その前代未聞の規模からみて、いくつかの国家が関与していた公算が強い。
イラク、イラン、パキスタンなどの国の名前が挙がっているが、イスラエル情報
部はスポンサーはイラクだったとシャロン首相にブリーフィングしている。これ
らの国の中で、テロに関与していた可能性が最も高いのは、やはりイスラエル情
報部が言うようにイラクだろう。本誌が36号(『2001年秋、「第5次中東戦
争」の激震がニッポンを直撃する!』)で指摘したように、サダム・フセインは
数ヵ月前より、瀬戸際にあるパレスチナ情勢を使ってアメリカの対イラク戦略を
マヒさせるための動きを見せている。
そんな状況の中でビン・ラディンという男が、首謀者と呼べるほどのイニシアチ
ブをこの大規模テロでとっていたかは極めて疑わしいと言わざるを得ない。
実際、アメリカに対してテロを仕掛けたい国家からすれば、ビン・ラディンほど
利用価値の高い人間はいないだろう。
彼を巻き込めば、過去の例からもわかるように犯人探しの段階でアメリカの目は
ビン・ラディンに集中するからだ。皮肉にもアメリカが作り上げた「世界最悪の
テロリスト」という虚像が敵対勢力にも都合のいい存在となってしまったわけ
だ。
マスコミ報道を信じるならば、アメリカはすでにビン・ラディン主犯の線で突っ
走っている。この調子ていけば、この号が出る頃にはアメリカがビン・ラディン
に対して軍事行動を起こしているかもしれない。
もしそうなれば、真の黒幕たちは陰でほくそえむはずだ。次号で詳しく説明する
が、それは現在の中東情勢の中でアメリカが政治的に〃彼ら〃には戦争を仕掛け
られないことを意味するからである。
が、たとえ報復の相手がビン・ラディンだけだったとしても、それは第一ラウン
ドにすぎない。今回のテロにより、イスラム原理主義勢力の残滅に焦点を絞った
アメリカの新たな中東政策が始動するからだ。そして、これこそテロを計画し実
行した男たちの狙いだったのだ…。
(待て次号(`_´))
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