投稿者 転載 日時 2001 年 9 月 14 日 00:37:58:
【2001.9.12 行政調査新聞社 主幹=松本州弘】
すでに全世界のマスコミはオサマ・ビン・ラーディン首謀説を流し始めている。だが、単純に彼の仕業だと考えて良いものだろうか。
1979年に当時のソ連軍がアフガニスタンに侵攻。米国を初め世界の自由主義国家はこれに猛反発した。そうしたなか、ソ連軍と戦う義勇兵が、数万人の規模でアラブ・イスラム諸国から集められた。こうした義勇兵のなかにオサマ・ビン・ラーディンも参加していたのである。
彼ら義勇兵の募集、輸送から食糧援助、あるいは軍事訓練を行ったのは、サウジアラビアと米CIAだった。やがて義勇軍の英雄ビン・ラーディンはタリバーンを組織するが、この組織もまた全面的に米CIAの援助によって成立していたのだ。
1989年、ついにソ連軍が撤退し、イスラム原理主義過激派が国際共産主義に勝利するという歴史的な日がやってきた。この結果 、アフガニスタンはイスラム原理主義過激派の聖地となり、ビン・ラーディンとタリバーンは英雄の代表となったのである。
タリバーンはイスラム原理主義過激派とされる。だが、実は「イスラム原理主義」などそもそも歴史的に存在しない。アッラーを唯一の神とするこの宗教は、初めから原理主義であり、改めて原理主義などと断って新勢力を構築する必要などない。では、なぜタリバーンが生まれたかというと、イスラム勢力分断のために、パキスタンを下地として米CIAが関与して作られたものである。従って現在もCIA要員がスパイとしてタリバンの深奥部に入り込んでいる。
本紙でも以前に記した通り、日本に限らず全世界共通の話なのだが、左翼であろうと過激派であろうと右翼であろうと、必ずスパイというものが入り込む。スパイは組織誕生のその時に既に入り込んでいるものだ。そして、ここが肝心なところだが、あらゆる組織に入り込んだスパイは、その組織で最も過激なメンバーとなる可能性が高い。つまり、疑われる恐怖が自らを最強のメンバーにしてしまうのだ。
タリバーンには現在も、当然のことながらCIAのスパイが入り込んでいる。そのスパイは、タリバーン最強の原理主義者になっている可能性が高い。そして彼の下に、CIAから工作指令が届いたとしたら……。
さて、それではタリバーンを使嗾した者は何者なのか? CIAが既にモサド(イスラエル諜報機関)の下部組織になっていることは本誌で何度も解説している。タリバーンの動きの背後に、世界中の過激テロ組織を背後から操る勢力の姿が朧気ながら浮かんでくる。それは一般 に「サンパウロ・フォーラム」と呼ばれ、南米ブラジル・サンパウロに一時拠点を置いたとされる、世界中の過激組織同士の連絡会だ。ペルーのトゥパク・アマル、コロンビアのFARCはもちろん、日本赤軍の一部(坂東国男等)もこのサンパウロ・フォーラムのメンバーだとされる。タリバーンもまた、サンパウロ・フォーラムの一員である。そしてさらに驚愕の事実がある。支那北京政府と無縁ながら毛沢東主義を主張するネパールのマオイズムもまた、サンパウロ・フォーラム勢力下にあるのだ。
〈中略〉
冷静に考えていただきたい。
確かにビン・ラーディンがテロ実行を首謀し、指図し、資金を出した可能性は高い。あるいはスイス銀行が個人預金を中止した結果 として南米に集められた世界中の資金が運用されたのかもしれないが、とにかく全米を狙ったテロ攻撃の仕掛け人は、アラブ・イスラム勢力だと誰もが考えるだろう。
今回のテロ事件で最もトクをした者は誰か。
イスラエルである。
それだけではない。アフガニスタン北部同盟とロシア勢力がある。
その背景を読み取ったうえで、この衝撃事件を見続けていただきたい。
ちなみにアフガニスタンの反タリバーン組織、北部同盟の猛将・マスード司令官は今月9日、自爆テロにより死亡している。マスード司令官は「神の谷の獅子」と呼ばれる勇猛果敢で知力に長けた名司令官であっただけに、北部連盟はこれで壊滅するのではないかと言われている。
さらに悲しいことだが、米ペンシルベニア大などでは、有色人種に対する“報復”が始まり、数人が暴行を受けていると伝えられる。「文明の衝突」を避け、「文明の共存」を目指す米アーミテージ・レポートは、またしても圧倒的な攻撃を受けてしまった。
混乱を求めている勢力が、間違いなく存在している。それはイスラム原理主義を初めとする世界中のあらゆる過激派を背後から支援し、果てしのない戦いの場を演出する。
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