「住民台帳ネット:国への情報提供拒否も」(韋駄天転載)&関連記事再投稿

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投稿者 踊る藁人形 日時 2001 年 9 月 05 日 01:25:10:


[19383] 住民台帳ネット:国への情報提供拒否も 杉並区が条例案〔毎日新聞〕

投稿日 9月3日(月)16時41分 投稿者 FP親衛隊国家保安本部

★杉並区を応援しましょう(わら。区長さん殺されないでね!

住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)導入に向け、東京都杉並区が策定中の「住民基本台帳に係る個人情報の保護に関する条例案」(住基プライバシー条例案)の全文が3日、明らかになった。同条例は、住民情報の悪用やプライバシー侵害などの恐れがあると区長が判断した場合、国などへの住民情報の提供を拒否できる権限を盛り込んでいる。住基ネットに歯止めを講じた条例は全国で初めて。
同区は11日に開会する9月定例区議会に提案、可決の見込みだ。これにより、同区は住基ネット対策が整ったと判断。関連経費約3800万円の計上と、住基ネットへの参加方針を表明した。
同条例は、全11条で構成。住民情報の不適正利用についての措置を定めた6条では、区長が「漏えい又は不適正な利用により、区民の基本的人権が侵害されるおそれがある」と判断した場合、国に対して「報告」や「調査」を求めるとともに、区長に「必要な措置」を講じる権限を与えた。
具体的には、各省庁や他の自治体で住民情報が外部に漏れた場合や、法改正による利用事務の拡大があった場合の適用を念頭に置いている。
適用をめぐって、法と条例が対立することも想定されるが、その際は、区から提訴して司法判断を求める見通しだ。
住基ネットへの不参加を断念した理由について、山田宏区長は「住基ネットに反対であることには変わりない」としたうえで、「(住基ネットという)悪法もまた法だ。他の地方自治体にも同様の条例を制定するよう呼び掛けていきたい」と話した。
住基ネットは、国民全員に11ケタの住民票コード(番号)を割り当て、氏名、住所など6種類の個人情報をコンピューター管理し、国などの事務に利用するシステム。改正住民基本台帳法で来夏の稼働が決まった。 【臺宏士】
(住基ネット対策条例案の全文は、毎日新聞のウェブサイト「毎日インタラクティブ」http://www.mainichi.co.jpに掲載)

■国の乱用に歯止め

東京都杉並区の山田宏区長が住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)への不参加を断念した背景には、総務省が今年4月に示した「参加しない場合は法令違反」との見解がある。山田区長は、昨年6月議会で慎重姿勢を表明して以降、「法令違反かどうかが灰色であれば、国地方係争処理委員会で争う」として、「住民基本台帳事務は自治事務で、参加するかどうかは自治体の裁量」という法解釈が成り立つかどうか、可能性を探ってきた。
しかし、総務省は「9月議会までに予算化していない場合は法令違反」を示唆するなど、区への圧力を強めてきた。山田区長は、区議会に対しても「法の範囲内で行動していきたい」と繰り返し答弁するなど、ぎりぎりの判断を迫られていた。
一方、区情報公開・個人情報保護審議会が8月21日に出した答申は、区長に住基ネット離脱を可能にする条例の制定を求めた。今回の条例は答申に沿ったもので、他の自治体にも同様の条例が広がれば、国による住民情報の利用拡大に一定の歯止めをかけることはできる。こうした「条件付き参加」が広がるかどうかが、今後の焦点になるだろう。 【臺宏士】

■プライバシー優先

住基ネット問題に詳しい関西大法学部の園田寿教授(刑法)の話 杉並区の今回の条例は、個人情報の公的な価値よりも、私的な価値を守ろうとするものであり、プライバシー保護を最優先した画期的な条例といえる。他の自治体でも追随する所が出てくるのではないか。
[毎日新聞9月3日] ( 2001-09-03-15:53 )


[19387] re:[19383] 住民台帳ネット:国への情報提供拒否も 杉並区が条例案

投稿日 9月3日(月)19時37分 投稿者 倉田佳典

09/03 18:16 情報提供の一時停止も 住基ネット参加の杉並区  内政20
共同
 住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)への参加を決
めた東京都杉並区は三日、不適正な利用に対して住基ネットへの情
報提供を一時停止することを柱とする「住民基本台帳にかかわる個
人情報の保護に関する条例案」を公表した。          
 地方自治体の中で最後まで住基ネット導入に慎重な姿勢を示して
きた山田宏区長が同日、参加を表明したことに伴う措置。住基ネッ
トに対する制約を含む個人のプライバシー保護を主眼とした条例案
は全国でも初めてだという。                 
 同条例案は、住民情報の漏えいや不正な使用により、区民の基本
的人権が侵害される恐れがある場合に国などに対し報告を求め、調
査を実施すると明記。区長は審議会や区民の意見を聴いた上で、住
基ネットへの情報提供を一時停止するなど「必要な措置を講ずるこ
とを義務付ける」としている。                
 このほか、本人からの申し出があり、生命などを害する危険があ
るときは、本人のデータを閲覧リストから除くことなどのストーカ
ー対策や、住民情報の不正使用があった場合などはデータの回収を
命じるとともに、命令に従わないケースには五万円以下の罰金を科
すと定めている。                      
[2001-09-03-18:16]


おまけ

★以下はかつてhypermartによって消し去られたbd8の、363.html(2000年7月20日)の再投稿です。
杉並区といえば、かの教科書問題で注目を浴びたところでもあります。
それとこれとはどういう連続性があるかは存じませんが、とりあえす再投稿しておきます。(ご論争がお有りの節は、各自なりにお楽しみください…^^)


<参考記事>個人情報守れぬ住民台帳ネット

個人情報守れぬ住民台帳ネット 山田 宏 東京都杉並区長

 「昨年八月に成立した改正住民基本台帳の運用について、杉並区は極めて慎重に対応せざるを得ない」
 私は、六月十四日の区議会本会議で、そう答弁した。同法によって構築され、二〇〇二年に稼働する予定の住民基本台帳ネットワークに、場合によっては参加しない選択肢もあり得ることを意味する。
 それは、自立した自由社会を愛するゆえの発言だった。法改正前の昨年二月には、特別区長会として同法の改正に否定的な申し入れを自治大臣に行っている。改正住基法に対して、いま私がどのような疑念を抱いているのか、真意を尽くしておこうと思う。
 まず費用対効果の問題だ。自治省によると、すべての国民に十けたの住民票コード(番号)を割り当て、全国の区市町村の住民基本台帳関連事務をコンピューターで結ぶこの計画の初期経費は約四百億円、別に約二百億円の年間維持経費を要するという。
 希望者に交付されるICカードを用いれば全国どこでも住民票が取れ、転居の際にも転入届だけで済むというが、財政逼迫の折り、巨額の費用を投じる見返りにしてはあまりに小さすぎないか。
 住基ネットは住民の居住を確認するための利用に限定するという条文は法案を通す方便で、いずれ再改正して納税者番号や運転免許証番号、金融機関の顧客番号などほかの個人番号と連動させようというのなら、行革や企業支援の経済効果は費用を上回るだろう。ただし、それでは国民総背番号制度にほかならず、今度は政府や企業による個人のプライバシー侵害が拡がる危険が生じてくる。
 住民番号を納税者番号としても利用しているスウェーデンでは「人は個人でなく第一に個人識別番号(PIN)だ」と、同国のデータ検査院長官が嘆いたことがある。一九九六年に来日した彼女は、こうも警告した。「PINはプライバシーに対する脅威のシンボルとなった。導入はお薦めしません」
 中川正暉前建設相が、吉野川可動堰をめぐり約束していた地元住民との対話を、相手の逮捕歴を理由に拒否した一件が記憶に新しい。国民総背番号制度が動き出し、個人情報が広範囲に洩れ始めれば、この種の差別は珍しくなくなるかもしれない。
 国家安全保障上の懸念はさらに強い。住基ネットで集積された個人情報が、万が一にも日本を敵視する外国に流出したらどうなるのだろう。
 米国防省や米情報中央局(CIA)のシステムがハッキングされたニュースさえ耳にする。わが国の区市町村ネットがそれらより強固なセキュリティーを維持できるとは考えにくい。一月にも、総務庁など中央官庁のホームページが不正に書き換えられる事件が発生したばかりだ。
 コンピューター・ネットワークを活用する電子政府の構想に、私は反対しない。時代の要請であり、積極的に推進すべきだと思う。
 だからこそ、拙速は避けなければならない。個人番号を安易に一元化せず、目的別の限定番号にとどめておく方がリスクは軽減され、かえって効率的な運営が期待できるのではないか。地元自治体でしか住民票が取れない程度は、自由と民主主義を守り、国民の安全を確保するためには最小限必要なコストととらえるべきではないのか。
 住民基本台帳の管理は、自治事務の中でも最も重要な領域の一つである。私の発言以来、区民の皆さんから、たくさんの意見が届いている。賛否の前に、「そんな法律だとは知らなかった」という方の実に多いことか。
 マスコミを含め、この問題は、重大さの割に議論が乏しかった。不透明な部分も多すぎる。自治相は当初、住基ネット上には基本四情報(氏名、住所、生年月日、性別)だけが流れると説明していたが、実際には戸籍や年金の種別など十三情報が載ることが後で明らかとなった。
 今からでも遅くない。未来を取り返しのつかないものにしてしまわないうちに、少し立ち止まり深く考えてみる勇気を持つことが、後々の世代への責任である。
[朝日新聞 7/15 論壇]


<コメント>
勇気だけでなくある程度の知識や思想がないと。
それにしても、IT化のデメリットを正面から論じる「知識人」や政党や報道は少ない。(「IT戦略会議」を見ただけでも、ある程度の勘ぐりはつきそうなもの。)お役所専用回線でなくインターネットを用いる以上は、原則的にいかなる秘密も存在しない、と考えて然るべきだと思うが。
それにしても、黙示録型植民地支配を財政破綻の日本国と日本国民に対しても、なぜ無理強いするのだろうか?
黙示録を読んでいて気持ち悪いのは、「しるし」が現代の科学技術においてはじめて実現可能な領域に突入したらしい、という点です。

そしてある日、あなたの名前が長い数字列になる。
あなたの人生も、命の価値も、もはや意味を失った。
あなたのすべては一個の数字列であり、低コストで生かされる肉でしかない。
一個の数字肉が地球支配者に死ぬまで奉仕させられるユートピア世界が到来する。
数字肉すべての言動、一挙一動、緯度経度が無慈悲に監視されていくのだ。
すべての数字肉一生涯の全生存情報は、海を隔てた「獣」のもとへと注がれていく。全能の「獣」はそれらを常に記録し、分析し、命令し、飼育コスト上不利な数字肉に対しては、これを迅速に廃棄していく。
聖なるスキャナーの獣像を拝まなかったあなたの友人数字肉No.XXXXXXXXXXXXXXXXXXは、ある日、清潔にいなくなる。



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